デスファイル・ロック 2005

HAPPENINGText: Xpectro

もしかしたらあなたも、夜を楽しむのにDJによってムードが損なわれない事を望むうちの一人ではないだろうか?しかしいまやDJ達の腕は、数年前考えられなかったレベルに到達している。世界のいくつかの地域では、夜を楽しむその他多くの選択肢が出てきたので、DJを下火と考えられなくもない。しかしここコロンビアでは事態が少し複雑なものとなっている。

近年、夜に外出して何杯か飲み、古き良きロックを聴くことは考えられない。つまり、見苦しい男達が舞台でドラムをドンドンと打ったりマイクで叫んでいる姿や、意味の通った(あるいは少なくとも客が一緒に歌いやすい)歌詞を歌う、ワルでセクシーな少女達が見られなくなっている。

現在は、コロンビアで行くところならどこでも、ラウンジミュージック、エレクトロニカおよびコンピューター音のような音楽を聴くことになるだろう。実は今、ヨーロッパでの栄光を失ったDJは、ベルリン、ニューヨーク、ロンドンよりもボゴタ、ブエノスアイレス、キート、リマあるいはサンティアゴで忙しい日々を過ごしているのだ。

そこで4月28日の夜、新しいレコードレーベルが当地、国外のアーティスト(音楽バンドおよびファッションデザイナー)へ仲間入りをして “戻るべき” 音楽やスタイルへの回帰を試みた。エジェ・レコーズは、“DJカルチャー” に飽き飽きしていて、ロック好きでエネルギッシュな友人同士のグループによって発展を遂げ、ギターや生ドラムがステージに回帰するようなイベントを開催した。

夜の音楽と言えば、3つのバンド(セクシー・ルーシー、ダブ・キラー・コンボ・アンド・レアンドロ・ビアルネス)の曲がこれから流されることになるだろう。ファッションショーのキャットウォークでは、エアロダイナミックがモデル(少年少女)に何かを着させ、聴衆に披露するだろう。衣服は実験のようなもので、原点回帰を求める若者達に向けて作られた。

エアロダイナミックはボゴタを本拠地としていて、今回のショーはラ・ベル・エポックで催される。18から35歳位の人達は、そのちょっとだけぜいたくで独特な服を取り入れることができる。綺麗な少女達、ギター、ファッション、強そうな格好、安い酒…。明らかに古いものが再度流行するのは少しばかりおかしなことだ。しかし、それは時勢の表れなのである。

Desfile Rock 2005
Aerodinamic: Colecciones Otono Invierno / Lenceria
日時:2005年4月28日
会場:El Pasha
住所:74 Calle, Bogota, Colombia
https://www.ejerecords.com

Text: Xpectro
Translation: Yuhei Kikuchi
Photos: Courtesy of Eje Records

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