ME マガジン

PEOPLE

ニューヨークを拠点に活動するグラフィックデザイナーで、アートディレクターでもあるクラウディア・ウー。彼女は「ヴィジョネア」や「Vマガジン」でのアートディレクションやデザインの仕事を始めた。その後ハーパース・バザールやプラダビューティーでも働いた彼女に、最近のプロジェクトである「MEマガジン」について話を聞いた。MEマガジンを特別なものにしているのは、各号がクリエイティブの分野にいる一人の人間をゲストエディターとして選び、友人や仕事仲間たちとの関係、また彼らの視点で、その人物を知ろうとすることに専念しているからだ。私たちは、生活の中でユニークな視点を拾い集めている。だから私たちは、自身の生活を豊かにし、高めてくれる対人関係や絆を大切にすることができるのだ。


MEマガジンとはどのようなものですか?また、始めたきっかけは何ですか?

MEマガジンはそれぞれの号で一人の人物を知るということに焦点をあてた季刊紙です。
ニューヨークでは常に同じ人に出くわすことが多いのですが、もっと個人的なレベルで彼らを知りたいと思ったのがきっかけです。実際に素晴らしいことを行っているのに、評判にならない人がいると思うからです。

最初のゲストエディターとして、ペインターのジョッシュ・アベロウ、ユナイテッドバンブーのファッションデザイナー青木美帆、Vマガジンのクリス・ボランをどのように選びましたか?

まず最初のゲストエディターとして二人に声をかけました。そのうちの一人、ジョッシュが返事をくれたのです。彼がイエスと言ったのには本当に驚きました。私は「RISD」 で彼と同じ学校に通っていたのですが、お互いよく知らなかったし、彼は私の仕事を全く知らなかったのですから。だから彼が簡単に承諾してくれたのが嬉しかったです。

美帆を選んだのは、女性が必要だったからです。友人のミッシェル・ブロックが彼女はどうかと持ちかけてくれました。彼女は素敵な人で、実際に彼女を知るようになってからは、とても尊敬しています。

クリスは、Vマガジンで一緒に働いていました。彼には、初めからお願いしたいといつも思っていました。しかし、彼はとてもシャイで、説得するのに時間がかかりました。彼は素晴らしいライターで、Vマガジンの新編集長になります。また彼は処女作にあたる小説も書いています。

あなたはヴィジョネアで働いていましたよね?簡単にあなたのバックグラウンドについて教えてください。どのようなインスピレーションをヴィジョネアや他の経験から得ましたか?また、どのように雑誌をニューヨークのインディペンデント雑誌という大世界にフィットさせているのですか?

Vマガジンで2年間、アートディレクターをしていました。ヴィジョネアのデザインチームのメンバーでもありました。振り返ってみると、とても素晴らしい経験でした。ただ、忙しすぎました。そこにいた間、一回も休暇がとれませんでした。時間に追われ、死んでいるようなものでした。そこを去ったことを後悔していません。その後ハーパースバザールでフリーランスをし、プラダビューティーでアートディレクターをしました。ギャップの春夏キャンペーンのデザインディレクターも務めました。そして今は一年にわたって、INDEXのデザインディレクターをしています。仕事に関して、私は本当にラッキーだったと思います。ヴィジョネアやV マガジンでの仕事が自分の経歴にあるというのは素晴らしいことです。結局、仕事とは、人と話しをする、少なくともその機会を得ることです。また、Vマガジンが小さなグループだったときから、雑誌の内側の仕事を実際に見ていました。そこでの経験や実践的なことをたくさん学んだことが、自分の雑誌を始めたいと思ったときに役立ちました。
この雑誌がNYのインディペンデント雑誌の分野で少し目立っているのは、単にそのコンセプトからだと思います。オブジェクトやファッション、イメージではなく、人々についての雑誌です。売店には常に新しい出版物が氾濫しています。うまくいけば、この雑誌は人々に反響を及ぼし、ユニークな声を得ると思います。自分の雑誌が出た後にも、たくさんの雑誌が発刊してはすぐに消える理由が分かります。プロセスを大事にすることを常に心掛けることが必要だと思います。

雑誌のデザインについて教えてください。反応はどうですか?

雑誌はミニ版です。昔、ヨーロッパでそれを見ました。しかし、ティーンヴォーグが出て来たとき、私は初めて、雑誌のサイズに関して真剣に考えるようになりました。良くできた雑誌は、読者にジャストフィットしています。通勤する人にとってもいいと思います。私はVマガジンの大きな版が好きですが、ハンドバックに入れるのには合わないですものね。
私たちはマット紙に印刷しています。ずっと好きだったのですが、今まで使う機会がなかったのです。これは本当に触り心地が良いです。ストーリーを語ったり、雑誌のバイオグラフィカルな面を言及する本や小説の紙のような手触りです。
フォントに関しては、それぞれのゲストエディターが好みのフォントを使います。私は、人にフォントを合わせようとするのが適切だと思ったのです。発刊ごとに決まったロゴを使わないことが、この雑誌での重要なことの一つです。このことは、それぞれの号にそれぞれの“パーソナリティ”があるというコンセプトを強調することに役立ったと思います。

ゲストエディター達は友人たちによって“公”にされた自分の生活をどのように感じているのでしょう?当惑はしていませんか?

個人によると思いますね。ここだけの話、ほとんどの人が“自分に関する雑誌”を持つということを気に入ると思います。私たちが彼らの友人にする質問や編集で、私生活を公にする“程度”を選択することができます。この人こそと思う人に断られたこともありました。私自身もゲストエディターになりたいかどうかは分かりません。

MEマガジンのメンバーを教えてください。

小さなグループです。広告担当のオカダマキコと全体の編集をするエンジェル・チャンです。二人にとっては趣味というより、それ以上のものでしょうね。二人ともフルタイムの仕事があるので、このプロジェクトに多くの時間を費やすのは大変です。二人が関わりたいと言ってくれるのが嬉しいです。どんなプロジェクトでも誰かのサポートを得るのは重要なことだと思います。

どこでMEマガジンを手に入れることができますか?

東京のユナイテッドバンブー、パリのコレット、アムステルダムのAthaneum、アメリカの主要な都市にある大きな書店やミュージアムショップで手に入ります。北アメリカにディストリビューターがいますが、インターナショナルではありません。自分たちで配布するのはゆっくりで、しかも時間がありません。ウェブサイトでも入手できますよ。

ME マガジン
住所:126 Winding Ridge Road, White Plains, NY 10603
editor@memagazinenyc.com
http://www.memagazinenyc.com

Text: Jonathan Turner
Tanslation: Ayako Yamatomo

【ボランティア/プロボノ募集】翻訳・編集ライターを募集中です。詳細はメールでお問い合わせください。
コントワー・デ・コトニエ公式通販サイト | 2016 SUMMER SALE
MoMA STORE