ベイビーツ 2004

HAPPENINGText: Fann ZJ

インディーズ音楽とパンクロックが、次第にローカル音楽シーンでその地位を築き始めている。デビュー作品「タイム・オブ・リバース」をリリースしたローカルバンド、オブザバトリーなどが人気を高め、これを後押ししている。さらにストリート・カルチャーやそれを取り巻くものの人気が成長するにつれ、今年で3回目を数えるインディーズ/パンクロックのイベント、ベイビーツは、そんな音楽を楽しむプラットフォームを提供している。

今年のベイビーツは、エスプラネード・シアターズ・オン・ザ・ベイという絶好のロケーションで開催し、アーティストを国外からも招き、街に旋風を巻き起こした。

ベイビーツの良さは、国外のアーティストも招きその幅を広げているところだ。今年も例外ではなく、シンガポールからフォース・ボミット、バーティカル・ラッシュ、オブザバトリー、アナログガールなどが出演するほか、マレーシアからラブミー・バッジやアロエ・イン・ボトル」、オーストラリアからスーパーマーケット・ヒーローとブルーライン・メディック、ノルウェーから「ケネス・イシャックが参加。

さらに、スウェーデンから「ラストデイズ・オブ・エイプリル」が参加。オールスタンディングのアリーナステージでは、ファンは熱狂し、チルアウトステージではビートが緩やかに波打ち、ミュージシャンが見えないくらいぎゅうぎゅう詰めになっていた。

今年のベイビーツは、音とビジュアルの両方に力を入れていた。地下鉄の駅から会場までの通路で行われた展覧会「RAIN OR SHINE」は、ブライアン・ラシッチの写真でロック音楽の歴史を振り返るというものだ。彼の作品はこれまでローリングストーンやプレイボーイ、ヴォーグでフィーチャーされてきた。今回の展覧会は、彼の作品とそこに込められた彼の想いを伝える展覧会となっている。

その他には、コンコースでエレクトロニカのショーケースもあり、テクノロジーが音に新しいビートを加え盛り上げた。

今年の入場者数は明らかに昨年の1万3千人を超えただろう。ベイビーツは、潮の香りのする風、周りには高層ビル、打ち寄せる波は音楽にかき消される、という思いもよらない環境で開催される、海のそばの音楽イベントだ。

BAYBEATS 2004
会期:2004年7月16日〜18日
会場:Esplanade, Theatres on the Bay
住所:1 Esplanade Drive, Singapore 03898
TEL:+65 6828 8360
https://www.baybeats.net

Text: Fann ZJ
Translation: Naoko Fukushi
Photos: Fann ZJ

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