YNTGOM

PEOPLEText: Simone Biffi

最新の情報を得たり、インスパイアされたり、ポルトガル国内外のデザイン界で常に何が起っているかを知りたいというデザイナーやクリエイターにとって、無くてはならないポルトガルのオンライン・コミュニティがある。「YouNeedToGetOouMore(以下YNTGOM)」をスローガンとして掲げるこのプロジェクトは、メンバー同士やコラボレーターとの互いの信頼関係で組織され、様々な実験的プロジェクトを行う学際的なグループ。

このプロジェクトの中心人物であるカルロスに、彼の将来のビジョンとプロジェクトについて話を伺った。

いつ、また、なぜこのプロジェクトを始めたのですか?また、このようなコミュニティとマガジンを始めようと考えたきっかけは何だったのでしょう?

デザインコミュニティを広げるプラットフォームである、「YNTGOM」を立ち上げようというアイディアは、ペドロ・マテウスとアレクサンダー・サントス、そして私の3人から生まれたものです。最初、様々な作品を見せる場所をつくるというアイディアがあり、教育的な基礎をつくるという考えを持っていました。さらに、人々が意見交換し、学ぶことができる場所にもしたかった。つまり私達が求めていたのは、ポルトガルのデザインのリファレンスを見つけられる場であり、国内の優れた人材を発見し彼らを紹介する場だったのです。

私自身デザイナーとして、ポルトガルのデザインやアートの質はとても上がってきていると思うのですが、誰がそのようなデザイナー、イラストレーター、アーティストだと思いますか?誰があのフォントを、あのイラストレーションを、ウェブサイトを作っているのでしょうか?

ちょうど私達が今やっているのは、そのような質問に答えるプラットフォームの基礎となる場所を作ることです。ここポルトガルで、国際的なコミュニティとの繋がりを確立し、情報を発信し、ポルトガル国内外で活躍するアーティスト達に場所を提供できる人材を見つけたいと考えていました。私達は、この世界がよりよくなるためのメディアとして、デザインとアートの力を信じる人々のコミュニティを発展させる力になりたいと考えています。

「YNTGOM」は、ポルトガルだけでなく国際的にも知名度をあげてきています。ポルトガルのデザインを世界へ知らしめるために必要なアプローチは何が有効だと考えていますか?

私達は、そのクオリティを見せることが最善の方法と考えています。ポルトガルのデザインは、世界中の学生やプロフェッショナル、デザイナー達が共に経験を積み、作り上げた作品にあり、そういう性格のコミュニティに対する新しい考え方を作っていこうとしています。

私達は将来に対して常に楽観的で、毎日、優れたデザイン、コミュニケーション、イラストレーション、音楽、アートや、映画など、新しいものに次々出会います。古いもの、新しいものを見て、それがマガジンのページに反映されていくのです。既存の型を壊し、良い作品を見せ、常に新鮮で新しいアイディアを生むきっかけとなるようなマガジン作っていきたいと考えています。

ポルトガルのクリエイティブシーンをどう捕らえていますか?またあなた自身の将来のビジョンは?

ここには、質の高い仕事が多くありますが、そのほとんどは一般的にあまり知られていません。そういう機会が少ないのです。文化的な基礎となるものや、組織が必要だと感じています。現在は、多くのクリエイティビティが広告市場に吸収されてしまっています。サイドプロジェクトや実験的なことなど、単なる仕事だけではない何かをするというモチベーションを高める必要があります。

互いのアイディアの共有を恐れずに、新しい方法を開拓し、信じ、協力すること。それが、私達のビジョンです。

Text: Simone Biffi
Translation: Naoko Fukushi

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