1980年代のポップ・イラストレーション
THINGSText: Asami Miyamura
「1980年代のポップ・イラストレーション」は、イラストレーションが熱かった時代と言われている80年代に活躍したアーティストの当時の作品を集めたアーカイヴ本。近年では、70年代、80年代のヒットソングCDの発売やバンドの再結成など、80年代の音楽は注目されていたが、本誌では猛烈にポップでご機嫌な80年代のポップ・イラストレーションに注目している。
監修に小田島等を迎え、選抜された18名のアーティストの作品はもちろん、アーティストインタビュー、80年代を見て育ったアーティストたちによるトリビュート、対談など、より立体的に80年代イラストレーションを知ることができる。作品はスーパーリアリズムのものからヘタうままでジャンルは問わず、エアブラシからペン、絵の具まで道具も様々。80年代を知らない人でも、対談中に出てくる当時の人物や事柄について、きちんと注釈で説明されているため、どの年代の読者にも対応している。
小田島等氏が、「たとえ5巻セットにしても紹介しきれない」と思いながら人選したと言う18名の中から、今回は数名紹介したい。
湯村輝彦
ヘタうまなイラストで知られているイラストレーター、デザイナー、漫画家。ヘタうまの時代を作り出したイラストレーションは、個性的で、ペンでササッと描いた粗雑なタッチと、クールなデザイン感覚の同居が魅力的。インタビューも掲載されており、よりヘタうまのソウルを知ることができる。
空山基
“卓越”を超えたスーパーリアリズムな描写によるセクシーロボが目を引くイラストレーション。女性をエロティックかつメタリックに描いており、国内外で高く評価され、SONYから販売された「アイボ」のデザインも務めている。
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