伊藤桂司・谷口広樹・ヒロ杉山展

HAPPENING


第一線で活躍しつづけている、まったく作風の異なる“イラストレーター”(彼らがイラストレータなのか、アーティストなのか、その境界線は定かではない)3人の作品展が、ギンザ・グラフィック・ギャラリーで開催されている。

100号という大きなキャンバス(長い方の辺が162cm)に手描きのドローイングがひろがり、三方向の壁には、それぞれ違う世界が映し出されている。

伊藤桂司は「24 JAZZ FUNK GREATS」、谷口広樹は「Illustration for Hospital」、そしてヒロ杉山は「Against the Dessin」という三様のテーマ。

「とくに大きな意味はないです、ただデッサンでなくトレースで描く!です」(ヒロ杉山氏)。
「同時に創った本とこの作品は、有機的に絡み合っているので同じタイトルにしました。新しい軸が少し見えたかな? と思っています。大好きなスロッビング・グリッスルのアルバム“20 Jazz Funk Greats”から引用しました。24ページなので“24”ってことで」(伊藤桂司)
「昨年、個人的に病院に関わる機会を多く持ち、病院の在り方について考えました。病人は負け組ではなく、病気になることで人生に向かい合います。そんな場所である病院の空間を絵の力で良くしたくて」(谷口広樹)

今回の3人で展覧会をやることのおもしろさについて、さらに3人に聞いた。

「〜みんな描いているというより描かされている感じなんです。イタコっぽい感じ」 (ヒロ杉山)
「表面的には違っているけれど、元をたどれば魂の三兄弟のような3人の内側の同質なスピリチュアリティに改めて触れ、アナログの絵の力に勇気づけられ、癒され、純粋なバカになれること」(谷口広樹)
「この3人ならではの、刺激と緊張感とバカ話のバランスが楽しかったです。それに、大のオトナが夜中に携帯メールしあったりして…」(伊藤桂司)

一つひとつの作品は、手書きならではの線や塗りのやわらかさ、あるいは逆に力強さが感じられ、絵を見る楽しさを思い出させてくれる。0か1かじゃない、アンドゥのきかないアナログの世界。“絵を描きたいから描いている”人だけが表現できる、心地よい雰囲気。ギャラリートークで語られた、「結局みんな、絵描くのが好きなんだよね」といった言葉に集約された各々の思いが表現されていて、窮屈な圧迫感を与えられることはない。

そして地階におりると、普段は目にすることのない、“閃きのもと”とも言えるような下絵やコラージュの素材なども展示されている。

そして、今回の作品展に合わせて、3人が編集・執筆・デザインを手掛けた作品集『ILLUSTRATION VIEWER 1』も発売。作品以外にも、後藤繁雄氏による、彼らの作品を重ね合わせて考察した絵画論や、「閃きが訪れた瞬間」「影響を受けたもの」などについて、彼ら自身の言葉で綴るインタビューコーナーなど。ハードカバーに包まれたB6判の小さな作品集は、いつも手の届くところに置いておきたくなるような、愛着の沸く一冊に仕上がっている。

伊藤桂司・谷口広樹・ヒロ杉山展
ギンザ・グラフィック・ギャラリー第213回企画展
会期:2004年2月4日(水)〜2月28日(土)
会場:ギンザ・グラフィック・ギャラリー(東京・銀座)
http://www.dnp.co.jp/gallery/ggg/

ILLUSTRATION VIEWER 1
価格:1,905円(税込2,000円)
発行:ギンザ・グラフィック・ギャラリー
発売:トランスアート
B6判 上製 116ページ
http://www.transart.co.jp

※「ILLUSTRATION VIEWER 1」は、アマゾンで購入できます。

Text and Photos: Yuki Ishida from Web Designing

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