カトリン・アルテンブラント

PEOPLEText: Naoko Fukushi

SHIFT2004カレンダーコンペティションで500を超える応募作品の中から選ばれたアーティストの一人、ピクセルガーテンことカトリン・アルテンブラント。ドイツで、自身のプロジェクトを中心に活動しているフリーランスデザイナーだ。独自のタッチで詳細に描かれるイラストは、独特の世界観を持っている。

まずはじめに自己紹介をお願いします。

カトリン・アルテンブラント。25歳です。ドイツに住んでいます。99年から、ドイツのホッフシューレ・フュア・ゲシュタルタン・オッフェンバッハで、ビジュアルコミュニケーションを勉強しています。専攻は「エクスペリメンタル空間コンセプト」です。フリーランスでイラストレーションとグラフィックデザインもしています。

現在の主な活動内容について教えてください。

アーティストとして、主に自分自身のプロジェクトで活動しています。特定のメディアには縛られていません。グラフィックの仕事もしており、現在は、恋人のグラフィックデザイナーと一緒に仕事をしています。また、最近ニッポン・コネクションという、日本映画のフェスティバルのデザインを別のメンバーで手掛けました。

また、ちょうど今、フォントも手掛けているところです。このプロジェクトは私の大学のもので、「タステン」といいます。このプロジェクトで生み出されたフォントは、フォントの中に文字がなくてもいいなど、普通のものとはまったく異なっています。

自身のウェブサイトを紹介してください。

私のウェブサイト、ピクセルガーテンは、オンラインのポートフォリオです。コンセプトはコンピュータープログラムのように見せること。これからもっとインタラクティブなサイトにしたいと思っていますが、その前にアクションスクリプトをもっと勉強しなくてはいけません。(フラッシュは私の事があまり好きではないみたいです。)

作った当初のコンセプトは、サイトを見にきた人が自分達で手入れをする植物などを取り除いたり、植えたりできるようなものにしたいというものでした。そこから、「ピクセル・ガーテン」という名前が生まれました。このサイトで公開しているのは、ほとんどが個人的なプロジェクトです。まだ、グラフィックの仕事で作ったものは載せていません。

SHIFT2004カレンダーコンペティションで、作品が選ばれましたが、その作品について伺います。その作品はシリーズの一部ということですが、その作品についてと、シリーズのコンセプトはどのようなものなのでしょう?

あの作品のタイトルは、「私たちは庭で出会った。」です。作品中の庭にあるのは実在しない植物です。それらの植物は3Dですが、それは注意深く見てみないと気付きません。そしてよく見ると、一見、植物に見えるこの植物に小さな違和感を抱くでしょう。

シリーズでは、それぞれ別の庭で、それぞれ異なるユニフォームを着た女の人がいます。その女の人達は人工的に見えますが、本物です。元になった写真はとても大きくて、ほとんど白に近い淡いグレーの輪郭です。シリーズの絵をもういちど近づいてじっくり見てみてください。そこに隠された小さなストーリーが見つけられるはずです。

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