NIKE 公式オンラインストア

スジャッキー

PLACEText: Ania Markham

ハーレム地区のメインストリートにある、とある一件のショップ。これこそ、家具やアート、ファッションやアクセサリーなど、新しいものから古いものまで様々なものが取り揃えられた、スジャッキーのお店だ。またここは、シュランクス・ビーニー帽と、ハーレムのコテージ産業の発祥地でもある。

オーナーであるスジャッキー・ハベルコルンは、37歳のハーレム住人。店は2年前に開店した。『ショップをやるのは、実はこれが初めてではないんです。18の時に一度友達とギャラリーをオープンしたことがあって、自分達の作品を売ったり、タダであげたりしてました。写真に興味があったので、学校で写真を勉強し、卒業後の10年間は、アーティスト、フォトグラファーとして活動していた時期もあります。何かを作るよりも、展覧会を開いてみたり、作品を売ったりしていた方が、楽しかったんでしょうね、その頃は。基本的には、いろいろなものに感動しちゃう方なのですが、今までの作品の中で支配的なテーマを扱ったことは一度もありません。物事をキャプチャーするというよりは、私が見ているものを作品に“登録する”といった風に。全てのものが、常に中間的な存在なので』。

プロの写真家としての活動を進めつつも、商売にも常に関わりを持ち続け、友人との店の運営を進めてきたというスジャッキー。その店にも、アートとキッシュな商品が溢れていたとか。『写真ではなく、その店だけの商品も作ったりしていました。いろいろなものを、その場でちゃちゃっと作っていたのですが、“ビーニー帽” が誕生したのも、ちょうどその頃。当時はビーニー帽という名前さえなかったですけどね。そうこうしているうちに、自分だけの空間が欲しいと思い始めてきて、それなら挑戦してみようかな、と。まず店を1、2ケ月貸りてみて、様子を伺うのが私のやり方です。この視察というか調査は、冬に行うことが多いですね。冬に店をちょっと貸りて、私の帽子でいっぱいにして、様子を伺う。結果がしっかり出るので、結構効果的な方法ですよ』。

スジャッキーが現在のショップを見つけたのは、2001年の10月のこと。『大家さんと空間を共有しなければいけないので、他とはちょっと違った存在の場所ですよね。例えば、大家さんは月に1回この店で会議を開きますし、秘書の人も、週に2度午前中にやって来ます。お互い、共通点はまったく無いのに、上手くやっていけているっていうのがおかしいでしょ。まったく違うものが同じ空間にあるということが、店の存在というか、機能にも、ある程度影響を与えている気もしますね』。

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