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スジャッキー

PLACEText: Ania Markham

そんな彼女の店は当初、ハーレムの住人には余り好ましく思われていなかったとか。と言うのも、彼らは店が持つユニークさに気づいていなかったからだ。『もしハーレムではなく、アムステルダムに同じ店をオープンしていたら、もっと分かりやすいリアクションが返ってきたでしょうね。でも何も驚いていないようなフリをするのが、ハーレムの人たちなんです。オランダ語で “ドローグ” という言葉があるのですが、これは “スーパードライ” という意味。だから私にとってハーレムの人たちは、ドローグです。絶対に、わくわくしてます!という表情は出さないですからね。見た目だけでは、彼らの気持ちを読み取るのは難しいですよ」。

それでは、彼女のショップの他とは違う持ち味はどういったところなのだろうか?『商品の並べ方じゃないかな。いろいろなものを点々と飾っていて、一見、それらのどれもに共通点がないように見える。でも実はあるんです。そこにお客さんは引きつけられているのではないでしょうか。ニット帽の横に、どのように家具を置くか?陶器があって、その次にどうして奇妙なおもちゃがそこにあるのか?というように…。レイアウトにも秘密があって、レイアウトでありながらも、ただのディスプレイではない。仕事場としての機能も兼ね備えている点が特別な理由ではないかな、と思います。大家さんも仕事があるので、むやみやたらにおもちゃをそこら辺に置けないですしね。このショップは、彼らのオフィスでもある。だからこそ、店をものでいっぱいにすることはできないのです。もし私に全ての主導権があったら、自分の商品で溢れかえさせるでしょうけど、最終的にはそれもきっと気に入らなくなるんじゃないかな。あと、常にショップをきれいに保たなければいけないのですが、片づけが苦手な私にとってこれは、ちょっと頭が痛い』。

『商品は昔のものから新しいものまで、本当に様々です。値段も手ごろで気に入れば、新しいものを仕入れます。新しいけど値段が張る場合は、ちょっと昔のものを仕入れるといったかんじです。ここで扱っている家具は、オランダの中でも指折りの家具デザイナーの一人である、ピート・へイン・イークの作品です。他のこまごまとしたものは、いろいろな卸業者から買っています。実際に現場まで脚を運んで商品をチェックし、ショップの雰囲気に合うような商品をちょっとずつ買います。年代を感じさせるものは、ドイツやベルギー、フランスのフリーマーケットで見つけたものばかり。なぜかオランダでは、そういった掘り出し物はないんですよね。テキスタイルや昔のセーター、毛布なども気を付けて見るようにしているのですが、シュランク帽は、こういった心掛けから誕生した商品ですね』。

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