ビザーレ・ミュージック

PEOPLE


ビザーレ」は、ブラジルの人が大好きなインディーズ中心のレーベル。そこで今回は、ビザーレの代表カルロス・ファリンハのインタビューを御紹介しよう。

これは現在でもそうなのですが、ビザ−レが誕生した場所は、僕のレコード屋です。まだインターネットなどが普及する前の時代の話になりますが、レコード屋で取り扱っていたレコードのほとんどが輸入もので、ブラジルにいる人たちにとっては、何がなんだかわからない存在でした。それと平行するように当時、ビザ−レは多くの人に認知されるようになり、いろいろな手段を通じて新しい音楽が紹介されるはじめてきました。僕個人としては、できるだけ多くの音楽を聴きたかった。そして、それらを聴いてからそのレコードを自分の店で売る、というアイディアは結構良いのではないかと思ったのです。店をオープンしたのは、87年のこと。以来、ブラジルのミュージシャンだけではなく、世界中のアンダーグラウンドのミュージシャンを紹介し続けています。店のカウンターにいるのは、みんな音楽通のスタッフばかりです(時にはレコードではなく、僕達を目当てに来店してくれるお客さんもいるんですよ)。


Musik + Design Golden Shower, National + A’, Objeto Arrarelo vs.Femur

98年にビザ−レはレコードレーベルになりました。レーベル設立以前は、素晴らしいバンドがデビューしても、成果を出せないまま消えていった姿を何度も目撃してきました。これは、そういったバンドに興味があるレーベルが存在しなかったために発生した状況です。だからこそ、その時は「今は僕が立ち上がるべき時だな」と思いましたね。僕達はただ純粋に音楽が大好きなだけ。そして僕達がリリースしているのは、折衷的に選出されたブラジルのバンドです。こういうスタイルでなければいけない、といった制限はまったくありません。新しいもの好きですが、基準はやっぱり自分達の耳に心地よいか否かですね。

ブラジルのインディペンデント・ミュージック・シーンについて教えて下さい。

その地域によるのですが、最近は多種多様なバンドによる、さまざまなスタイルをもつ、とても不思議なシーンが存在しています。そして最近ではそのシーンが、徐々に力強くなってきています。数年前までは、メインストリーム的な音楽が主流でした。しかしインターネットが普及した現在では、人々の興味が違う方向に向いてきているようです。メインストリームで活動しているアーティストからは、何も新しいものを得られないということに気付いたんでしょうね。そしてその時こそ、インディペンデント・ミュージシャンを全面に押し出す絶好のチャンスでした。実際のところ、本当の意味でのインディペンデント・シーンというのはまだここには存在していません。すべてがちょうど今動き出したという状態で、僕達自身もその動きに関わることを楽しんでいます。レーベルの数も増え、日毎にプロとしての意識も高まってきているようです。僕達のレーベルも、レコードの国内配給だけではなく、インディペンデント・メディアや外国からも注目を集めるようになり、お客さんの意識も高まったと思います。もちろん、これはまだ序章に過ぎないことは百も承知です。まだまだどうにかできる部分はたくさんありますが、とにかく前進するのはすごく良いことだと思っています。

ビザ−レ・ミュージックからリリースされている作品を紹介して下さい。

オブジェット・アマレロ、ナショナル、テティン、スペース・インベイダーズ、モノキニ、サラ・エスペシャル、ブルー・アフタヌーン、ルムロ・フルエス、トランシスターズといったアーティストを抱えています。ブラジルのデザイン・ドゥオ、フルマーのインタラクティブCDもリリースされており、このCDでは、サウンドとグラフィック、それにフォントを楽しむことができます。昨年の話になりますが、このCDをリリースした直後、彼らはパリにある「パレ・ド・トーキョー」で展覧会を開いたんですよ。

テティンの「マン・イン・ユニフォーム」の限定版が近々リリースされる予定です。また、ブルー・アフタヌーンは「フォルクスプロイテーション」を、オブジェット・アマレロは「デス・ダ・ペドラーダ」を、ルムロ・フルエスは「カラード」を、スペース・インベイダーズは「コンニュア…」を、ウルトラサムズは「マイ・ソー・コールド・ワイルドライフ」を各々リリースする予定です。もしかしたら、ナショナルが10曲を一遍に紹介してくれるかもしれないという可能性も。ステレオ・トータル、クラブ8といった海外のバンドの楽曲のリリースも控えています。

デザインと音楽が交差していることについてどう思いますか?

デザインと音楽は、とても近しい関係のように僕には見えています。双方が同一のクリエイティブ・プロセスを兼ね備えていると思いますし、特に最近ではそれが重要になってきているのではないのでしょうか。例えば、まだ実際に聴く前から、ジャケットを見ただけでそのCDに収録されている音楽について想像したりしますよね。だからこそ僕達は、これまでも、そしてこれからも、デザインと音楽の距離を縮めてみたいのです。何がデザインで、何が音楽なのかわからなくなってしまうような境界線にまで達してみたい。もしかしたらこれは、ちょっとユートピアチックだったり、単に馬鹿げた夢かもしれませんが、今はとにかくそれに挑戦してみたいですね。昨年、エレクトロニカ・フェスティバルに参加したのですが、そこではグラフィックとサウンドをミックスする3つの方法を紹介しました。今年の5月には、ビザ−レのパートナーのひとりであるマテアスとロボというデザイン・スタジオの代表が、スペインの「OFFF」に参加。ビザ−レについてや、ロボで制作した音楽をグラフィックに融合するソフトウェアの紹介などを行いました。

ビザ−レのメンバーのロニンが、まだまだちょっと雑ですが、とてもおもしろいサイトを運営しているので紹介させて下さい。このサイトでは、60年代に活躍した、ジャケットデザインを専門に手掛けたデザイナー、セザール・ヴィエーラの作品がフィーチャーされています。


Record Covers: Transistor + Objeto Arrarelo + Bizarre, Sampler + Tetiene

ブラジルのデザイン・シーンにおいて、ここまでビザーレのレコードジャケットが特別視され続けているのはなぜだと思いますか?

これはすごく嬉しいことですね。おそらく、僕達自身が、ジャケット好きということが大きいと思います。なぜだかわからないのですが、気付くと周りにグラフィック・デザイナーの友達ばかり。何か新しいレコードがリリースされる度に、デザイナーの友達を呼んで、バンドとデザイナーが作品について話し合いを持てる機会を設けます。これまでにも、ラファエル・ラインロボA’シスマジュリオ・ドゥイ、アレクサンドレ・スアネス、ギルヘレム・マルコンデス、カルロス・イッサ・アンド・カルソル・ビラなどが協力してくれました。時にはカバー・デザインを選べないことも確かです。すべてを完璧に…とはなかなか行きませんね。

最後になりましたが、ビザーレからリリースしてみたい日本のアーティストやバンドはありますか?

もちろん。僕自身、嶺川貴子、竹村延和、メルツバウの音楽が大好きです。

Bizarre Musik
住所:R.24 de Maio, 116 R.A. lj 13, Sao Paulo, Brazil
TEL:+55-1133331-7933
bizarre@bizarremusic.com.br
www.bizarremusic.com.br

Text and Photos: Clarissa Tossin from A’ and Carlos Farinha from Bizarre Music
Translation: Sachiko Kurashina

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