OFFFフェスティバル 2003

HAPPENINGText: Maria Paz Pedreros, Daniel Ramirez

今年で3回目を迎えた、スペイン、バルセロナのOFFF フェスティバル。例年通り、今年も私達はこの祭典に参加し、アーティスト達へのインタビューを決行した。実を言うと、このインタビューはかなり大変な仕事だった。と言うのも、イベントの多くがメルカット・デ・レス・フロスという会場で同時進行されていたからだ。ここでは、デザイナー、デジタル・アーティスト、ミュージシャン、出版者、建築家などが一同に集結。仕事やプライベートから得た経験談が飛び交い、誰もがその時間を楽しんでいるようだった。

私達「D76」は、バルセロナを拠点に活動するシフトの取材班として、また今回のフェスティバルでは、プロダクションチームメンバーとしても活動。そのお陰で、参加者が空港に降り立った時点から、密着して取材を行うことができた。


Main entrance view from the 2nd floor

会場となったメルカット・デ・レス・フロスは、スペインのカタロニア地方の言葉で「花市場」のこと。今までOFFFが開催された場所の中でも、もっとも素晴らしい会場と言えるのではないだろうか。3階建てのこの大規模な会場。会議室が何部屋かと、300人終了可能の講堂があり、そこでメインとなるカンファレンスが開催された。この会場は、アジュンタメント・デ・バルセロナとバルセロナ市文化協会により提供されている施設である。


Thursday 01st of May: 12:00 p.m. Open the doors

このメルカットはかつて、1929年に開催された万国博覧会の農業展示スペースだった場所。その後、名称をメルカット・デ・レス・フロスに変更し、本当に花市場が開かれていた時代もあった。そしてそれから74年後の今年、メルカットは、OFFF2003の会場として再生したのである。

開催前夜には、ささやかながらもウェルカム・パーティーを開催。そんな中、開催日第1日目の5月1日木曜日に至っても、カンファレンスやショーの準備が全ては実は完璧にできていなかったという裏話も…。そういったこともあり、スタッフの私達は皆一様にナーバスになり、不安を隠すことができなかったのだが、そのような状況でも、全てのプレゼンテーションやショーをできるだけベストな形で届けようという一心で団結していたと言ってもいいだろう。

今年のOFFFのテーマは「あなたのスーパーヒーローは誰?」。AZ2-LABやエリック・ナッケが参加したカンファレンスでは、このテーマをメイントピックとして扱い、この時代特有のヒーロー達についての良いポイントを考えるチャンスを与えてくれたと思う。また今年は、来場者数も劇的に増加。スペイン、カナダ、アメリカ、スウェーデン、ベルギー、日本、イギリス、オーストラリア、ポルトガル、メキシコ、イタリアなど、世界各地から集まった200名以上の “ヒーロー” 達が制作した作品が、来場者の増加につながったのであろう。

続きを読む ...

【ボランティア募集】翻訳・編集ライターを募集中です。詳細はメールでお問い合わせください。
MoMA STORE