インター/アクション

HAPPENING

6月27、28日の2日間、東京・六本木ヒルズアリーナで「SALVANILLA」と「LAP TOP ORCHESTRA」によるライブアートパフォーマンスイベント「INTER/ACTION」が行われた。


近年高まる、都市の再開発という視点で開発された六本木ヒルズは、超高層ビルと映画館、ショッピングモール、美術館などが集った、複合型文化施設だ。その中で六本木ヒルズアリーナは「都市型の野外エンターテイメントスペース」というユニークなコンセプトを持ったビルの間に挟まれた、円形の多目的スペースだ。

そのスペースで行われた「INTER/ACTION」は、前述の「SALVANILLA」、「LAP TOP ORCHESTRA」による、ライブアートパフォーマンスの2部構成になっていた。

前半部分のパフォーマンスは、クリストフ・シャルルを中心に集まった世界的に活躍するクリエーター、アオキタカマサ、半野喜弘らが、ラップトップ・コンピューターという近年、音楽が進化することに欠かせないツールを用い、即興でライブをするというものだった。形式も面白いもので、シャルル・クリストフが作ったリズムやオーガニックな音などと、簡単にキーワードが書かれたスコアを元に、それぞれ2分のシークエンスを自由に演奏し、それを32分間行うというものだった。サウンドシステムも、アリーナの特徴を生かし円形状に並べられ、それと同じ様に並べられた各々のラップトップ・コンピューターからの音源が出てくることによって、音が構築する空間に立体感を持たせていた。

ライブが始まると、会場に設置されたスクリーンには、音に同期したビジュアルが映し出され、参加しているアーティスト、アオキタカマサ、半野喜弘らのラップトップ・コンピューターから出される音がリアルタイムの波形としてスクリーンを照らし、視覚的にも、今出されている音を体感でき、それを見ながら今誰がどの音を出しているのかと考えを巡らすのも、また楽しむことができるものだった。

2日間とも観賞したのだが、即興演奏ということもあって両日とも異なったサウンドスケープを体感できた。これは、ライブパフォーマンスによる即興演奏の醍醐味でもあるのではないか。コンピューターを使って演奏する以上、データーは変わることは無く、それゆえにラップトップによるライブは、“再生”か“演奏”かというところで曖昧になってしまう。しかし、複数人のアーティストが、ラップトップ・コンピュータを使い即興という、有機的な行為でお互いの音を絡ませて行うことは、そうした問題を回避する一つの手段になるのだろう。だからこそ、演奏しているアーティストたちも手探り状態であり、このスタイルの完成形を見る事はできなかったが、アイデアは面白いものだっただけに、まだ探求の余地があるという印象を持った。

後半部分は、現代舞踏集団「SALVANILLA」によるミックスメディアパフォーマンス。都市情報空間におけるコミュニケーションリアリティーをテーマに、パフォーマンスがアリーナの中心に設置された舞台で展開された。未来的な衣装をまとった演舞者達は、舞台を一杯に使いリズミカルに力強く動き回り、都市に住まう人間のパラノイアを映し出していた。そこには人間的なものを排除した先に、人間の苦悩のようなものが浮かび上がるのではないか、という印象を観る者にもたせ、中央部分に設置された、伊東篤宏作の音具「オプトロン」の放つ光は、都市の持つ光を連想させた。そして、音楽はノイジーな電子音と生ドラムによるライブでダークな響きを奏でていた。決して心地いいものとはいえなかったが、目を逸らすことはできないリアリティーの持つ力強さをパフォーマンスから感じることができた。

都市の中心部の空の下で音楽とアートを体験する機会は、なかなか無いもので、高層建築物の谷間から見える空を見ながらこういったパフォーマンスアートを観ることはとても良い経験だった。そして、こういったスペースが都市に増えることで、都心に住む多くの人々が気軽に足を運ぶことができ、またアーティストにはこのような場所でしか出来ない表現形態を生む可能性を持たせるのではないだろうか。

INTER/ACTION – BIRTH PLAN BY SALVANILLA
会期:2003年6月27日、28日
会場:六本木ヒルズアリーナ
住所:東京都港区六本木6-10-2 六本木ヒルズ
info@salvanilla.com
http://www.salvanilla.com

Text and Photos: Yasuharu Motomiya

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