フレデリック・ダウバル

PEOPLEText: Sachiko Kurashina

昨年オープンした、GASギャラリーで、第2回目となる展覧会が2月7日から行われる。今回フィーチャーされるのは、アムステルダム在住のフランス人デザイナー、フレデリック・ダウバル。グラフィックやテキスタイルのデザインだけではなく、ファッションデザイナーとして、ワイデン&ケネディー、ナイキ、ポール・スミスなどをクライアントに持つ彼女の世界を楽しむことができる内容だ。展覧会開催を目前に控えたフレデリックに、その意気込みや、オリジナルブランド「ピーシーズ」などについて伺った。

自己紹介をお願いします。

フレンチガールのフレデリック・ダウバルです。文学と美術をそれぞれ別々の学校で学び、その後、フランスとモントリオールでグラフィックデザインの勉強をしました。これまではずっと、フリーランスのグラフィックデザイナー、テキスタイル・デザイナーとして活動をしてきましたが、2年半前に独自のブランド「ピーシーズ」を立ち上げました。

2月7日からGASギャラリーで開催される展覧会について教えて下さい。この展覧会のコンセプトはどういったものですか?

日本で自然に発生した「ランデブー」です。

この展覧会のタイトルとして「曇りのち晴れ」を選ばれた理由は何ですか?

「曇りのち晴れ」とは、ご存知の通り天気予報でよく使われる言葉ですが、曇りから晴れになる時を気付くことなんてほとんどありませんよね。でもこれは、すごくステキでポジティブな考え方なので、個人的に好きです。日々、小さな出来事が沢山起こります。それですごく嬉しい気持ちになったり、ぞくぞくしたり、いろいろですよね。その出来事が何であろうと、例えば、たった0.25秒でも、それはあなたのアドレナリンを目覚まさせてくれるもの…。そう思うのです。

展覧会ではどのような作品が発表される予定ですか?

ケーキでしょ、キャンディーでしょ、ワインでしょ…。おっと、これは二の次ですね。今回の展覧会では服や、Tシャツのような服、ジャケット、ドレス、パンティー、ハンカチ、ボタンといった作品を中心に、ピーシーズの様々な作品を紹介します。「オーバープリント」というタイトルがついた、グラフィック作品も何点か展示される予定です。新作やユニークな作品もあります。ぜひ見にきて下さい。

ダウバルさんにとっては、これが日本では最初の展覧会だそうですが、日本についての印象は?

展覧会は初めてですが、日本に来るのは2回目です。この展覧会は、GASのスタッフのみなさんから贈られた、素晴らしいプレゼントだと思っています。すごく嬉しいです。日本は私の好奇心をくすぐる国です。昼夜問わず、街のどこでも歩くことができる。これはすごく刺激的でした。

ご自身のブランド「ピーシーズ」について教えて下さい。

「ピーシーズ」では「ピース(作品)」を作っています…。でもこれって、かなり抽象的な言葉ですよね。と言うのも、あるひとつのものに執着して、それだけを作っているという訳ではなく、この「ピーシーズ」という、いちメディアは、私が表現したいことによって変化するものだと考えています。私の作品は、いろいろな作業が組み合わさって完成されます。活動を通じて思うのは、もっと忍耐強くなりたいということ。 毎日そう思っていますし、そうすることは好きですね。

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