アート・バーゼル・マイアミビーチ 2002

HAPPENINGText: Ilaria Ventriglia

手ごろな値段で買い物がしたいなと思う人にお勧めのイベントも2つ用意されていた。12の非営利団体と、小規模ギャラリーが多く参加していたのは、「アートポイント」というイベント。アメリカやマイアミを題材にした商品が並べられていた。

確実に成長を続け、社会的にも、コレクターに対しても成功を納めているのは、このイベントのエンターテイメント的なアイディアがあるからこそ。ある30代の男性の展覧会が行われたのは、タウンハウス・ホテルという、イベント会場から程近い小さなホテルの一室。そこでは、作品がベッドの上、お風呂場、たんすの中に展示され、その日のイベントが全て終了すると、そのギャラリースペースは普段の一室の姿に戻るのだ。


Tim Noble & Sue Webster, “Real Life is Rubbish”, 2002. Courtesy Modern Art Museum

この手のアートイベントに何度が行ったことがある人ならば、今回のマイアミでの開催には、ある種のトレンドがあることに気付いたことだろう。写真よりもペインティングや彫刻が多く目につく。地元のオーナーが、地元のテイストを受け入れようという流れだろう。

ラテンのエネルギー、様々な色使いが施されている作品は、大体において規模が大きなものが多かった。ここはニューヨークではない。マイアミだからこそ、このような大きな作品の展示もまったく問題がないのだ。そしてマイアミはラテン系の街。だからであろう。キューバ料理のレストランで英語を話すと、何だかちょっと違和感を感じた。

3万人の来場者を数えた今回のイベント。世界中のコレクター達の作品が紹介され、南アフリカのカップルが注目を集める中、大成功の内にその幕を閉じた。また、それ程名が知れ渡っていないアーティストの紹介にも繋がり、ギャラリーのオーナーにとっても、満足がいくものだったのではないだろうか。

スイスで行われたものとはまた違った空気感があった今回のマイアミでの開催。コンベンション・センターのビップ・エリアでは、トロピカルオイルを使ったマッサージを受けることもできた。またヘルプが必要な時は15ドルの半日ツアーもあり、これは英語とスペイン語で行われていた。

Art Basel/Miami Beach 2002
会期:2002年12月5日〜8日
会場:Miami, Florida
https://www.artbasel.com/miami_beach/

Text: Ilaria Ventriglia
Translation: Sachiko Kurashina
Photos: Courtesy Art Basel Miami Beach © the artists

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