「ハウ・ウィル・アイ・エバー・ビー・シンプル・アゲイン?」展

HAPPENINGText: Amy Franceschini

このグループショーに参加している4名は、ドローイングからビデオまで、それぞれ違ったメディアで活動するアーティスト。まずギャラリーに入ると、ジョー・ジャクソンの作品「ウィー・ハブ・オールウェイズ・リブド・イン・ア・キャッスル(私たちはいつも城にいる)」が大きな口を開いてお喋りをしているのが見える。


Jo Jackson, We have always lived in a castle

その周囲には同じくジョーの小さめの作品が取り囲み、そこから更に進むとクリストファー・ガレット、ショーン・オデル、ボブ・リンダーの作品が平行して展示されている。本展のタイトル「ハウ・ウィル・アイ・エバー・ビー・シンプル・アゲイン?(どうすれば再びシンプルになれるのか?)」は、リチャード・トンプソンの歌のタイトルから付けられている。


Christopher Garret, Untitled

ギャレットの作品は、ナラティブな色が濃いと言ってもいいだろう。ナラティブな印象を持たせつつも、何点かの作品から感じられる不条理さには、思わず畏縮してしまう。そしてこの下に掲載されている作品のようなシンプル性を極めた作品には、ただ脱帽するだけである。


Christopher Garret Left: Natural Progression, Right: Untitled.

ジョーの作品でもシンプル性が見事に表現されている。ステンシルを扱うように描く彼女の方法は、ポイントをストレートに掴んでおり、それは彼女の作品からも伺うことができ、絵自体が「叫ぶ」ということを言っているかのようだ。しかし、こだまの中にある静寂と、床の上に作品が置かれてあることで、現実性の破片が散りばめられているようにも思われる。

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