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エイミー・フランセスチーニ「ハーヴェスト」

THINGSText: Renny Pritikin

ハーヴェスト」(HARVEST)は、過去7年間に私たちが称賛し、活動を共にしてきたアーティストの方達とのコラボレーション作品、並びにコレクションを集めたものです。私自身のポートレートでもあり、ある意味、終点的なものでもあります。本を出版し、私たちの作品を何か手で触ることのできる物に収める事で、更に前進し、新たな作品を制作する事に集中しなければならないのだな、ということを感じました。決まりきった快適なワーキングスタイルの形にはまってしまうのは容易いことです。だからこそ、新しいアイディアやプロジェクトへの出発点として、そして今まで行ってきた事のリファレンスとしてこの作品集を発表します。

ハーヴェストでは、非鋭利目的の作品、アートプロジェクト、調査資料、レジデンス・プログラムのアーティスト、私たちの親愛なる友達でもありアーティストのマーガレット・キルガレンに捧げる「FELLOS」(フェロス)という特別なセクションが紹介されています。このセクションには、イエルバ・ブエナ芸術センターのチーフキュレーターであるレニー・パリティキンの前書きも掲載されています。- エイミー・フランセスチーニ

同じ街に住むアーティスト仲間が、偶然にも似たような美学の下に集まることがある。そこで生まれた作品が、世界中のオーディエンスに好まれ、雑誌などのメディアに紹介されるというは、とても素晴らしく幸運なことである。サンフランシスコ自体は、メディアでの存在感はそれほどでもないにも関わらず、50年代からビート文学(ビートニク・ポエム)のアレン・ギンズバーグ、ジャック・ケルアック、ローレンス・ファーリングヘッティ等に対する注目度が高く、その10年後の60年代には、サイケデリック・ロックグループのザ・グレイトフル・デッドジェファーソン・エアプレインカントリ-・ジョ-&ザ・フィッシュ等が登場した。そのような動きはおそらく重要であっただろうが、80年代のランゲージ・ポエトリー、リン・ヘジニアン、バレット・ワッテン、カーラ・ハリーマン、ボブ・ペレルマン、ロン・シリマン、そして同性愛の美学が中心となった90年代のネイランド・ブレイク、ハイテクを駆使したアーティスト、アラン・ラス、ポール・デマリニス、ジム・キャンベル、そしてグラフィティやスケーターの動きが中心となっている最近では、バリー・マッギー、マーガレット・キルガレン、クリス・ヨハンソンなど常に時代と共に活躍してきた。

キュレーターは、いつになるかわからないけれどもいつの日か、人々がギャラリーやスタジオに脚を運び、何を見ているのか分からない、という情景が来るというとんでもない考えを持っている。私自身、フェロスにいるアーティストとは20歳の年の差がある。理屈抜きで彼等と私の間に距離がある事が分かるし、ひずみが浮き上がってくるのも知っている。この状態や彼等の生活に対する彼等自身の気持ちをどのように理解するのが、一番最適なのだろうか?

私は最近ガラパゴス諸島に行き、ダムセルフィッシュという魚を見た。どの魚も、自分の縄張りにある小石や葉を覚えている。そして、元の完璧な状態に戻す為に、余計なものは一切取り払う習性があるのだ。こんなカオス的な世界の秩序のほんの一部を、こんな小動物が責任感を感じて管理しているとか、もしかしたら世界ははじめから完璧であって、魚達がその熱心さからその小さなセクションを統一化しているのではないか、などと考えを巡らすのは楽しい事だ。

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