エマージング・アート展

HAPPENING


今の時代、アートの展覧会を取り仕切るキュレーターの仕事は、アーティストの作品と同じぐらい重要な存在である。今年の初めから開催されている「OBRA SOCIAL CAJA MADRID」というプログラム。これは、新人キュレーターを援助することを目的に、展覧会プロジェクトを制作するための、3つの助成金を与える事を目的に計画された。そこには、約200の応募が集まり、それらが著明なキュレーターによって審査された。3つの展覧会を含んだ最終結果は、首都マドリッドの中心にある新しいソーシオ・カルチュラル・エリア「LA CASA ENCENDIDA」で公開されている。

選ばれたプロジェクトは、パロマ・ブランコの「NINGUNA PERSONA ES ILEGAL」、ビクター・デル・リオの「CULTIVOS」、シリア・デル・ディエゴとクリスチャン・アノ・フロリッチの「IDENTIMIDADOS」の3つである。どの作品も、地球規模化、個人の自由や移住についてといった現代的なテーマを共通に扱っている。またキュレーター、アーティスト共に30代前後の若者ばかりが集まった。

移住と人権に焦点を当てているのは「NINGUNA PERSONA ES ILEGAL」。批判的に、そして皮肉的に、選ばれた9人のアーティストは、残念ながら今日、取り扱われる回数が多い社会的認識を表現している。
「MUNDOS SONADOS」というタイトルのフィクションの旅行ガイドブックは、エル・ピエロというグループからのトラベルボックスがついたもの。電気、水も供給され、トイレに固定された移民が入った箱は輸送されるのだが、それ故に移民は「快適に」旅を遂行できるのだ。

IDENTITYという文字と、INTIMACYという文字をスペイン語風に変化させている「IDENTIMIDADOS」は、2つのコンセプトを効果的にフォーカスした展覧会。8人のアーティストが参加している。あるアーティストの作品タイトルは、これ以上明白なものはないという程はっきりしており、その名も「I DON’T REMEMBER EXACTLY WHEN I BECAME OBSESSED WITH MYSELF (いつからこれ程自分自身に夢中になってしまったのか、自分でもよく覚えていない)」という。「LA VIDA SUMERGIDA」という展覧会に参加したアーティストは、作品を通じて更に奥深い見解を取り扱っている。それを見ていると思わず、何かを強く願う事の良さ、自分の気持ちに耳を傾けることのできる洞窟などについて考えてしまう。

最新プロジェクトである「CULTIVOS」で扱っている題材は、ウィルス。ビクター・デル・リオによって選ばれた4人のアーティストにとって、ウィルスは、言わばアートのためのソーシャル・コードであり、ビジュアルフィルターなのである。

UNPUBLISHED
会期:2002年9月初めまで
会場:La Casa Encendida
住所:Ronda de Valencia, 2 Madrid, Spain
casaencendida@cajamadrid.es
http://www.lacasaencendida.com

Text and Photos: Terevision Ruiz from Neo2 Magazine
Translation: Sachiko Kurashina

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