ロビン・スパーリン

PEOPLE


この世界の果ては、ハンガリーの東部での「パズタ」ほど国境を持ってはいない。「パズタ」という言葉は「砂漠」や「平原」という意味で使われるが、だだっ広く、平らな「大平原」はどの言語でも、住む人もいなく寂しい土地を意味する。

イギリス人の抽象画家ロビン・スパーリンは、 ロンドンとベルリンですでに成功をおさめている。またフランス南部ニースや、最近ではフランス北部ブリタニーでも活動している。そして、ハンガリー人の妻と子供を持っている。彼は、自分の活動に十分な、平らで何もない風景を見つけたようだ。

彼のやっているのは、厳しいアートだ。スパーリンは間違いなく純正主義者で、抽象画とコンセプチュアル・アートの間にある境界線で、どのようにラインが空間と出会うかを厳しくみている。

彼がコンスタントに生み出す絵や写真は、ラインと形の効果を明らかにすることを意図して作られている。世界に存在する鉄格子を眺めて作られた、有形の抽象画はウェブサイトで見る事ができる。とはいえ、彼個人的には、インターネットと距離を置こうとしているのだが。

スパーリンは情報に毒されないように気を使っている。そして、国際的ニュースから遠ざかることにも、不安はない。彼の時間を東ヨーロッパ外での日常生活の光とテクスチャーを感じるために時間を使おうと務めている。それは、過去へと逃げ込んでいると言ってもいいだろう。

20世紀半ばより抽象派のアーティストは、革命的な声明や生活をサイ解釈する熱意によって、視覚的な世界を変えようとしてきた。2001年に生きるこのアーティストの目指すところは、修道士的な禁欲だ。彼は純粋さを取り戻そうとしているのだ。

比較というのはいつでも紛らわしいのだが、ブラック、モンドリアン、カール・アンドレの厳格さのようなものが、スパーリングの作品にも垣間見える。まばらな線の使い方や、独特な手法による点と平面の配置を考えると、彼は現代画家での古典主義者のような立場にいるとも言えそうだ。

彼の住んでいる田舎は、広大で、開放的で、落ち着きがあって、古代的で、奇妙でもあると彼は言う。そして、鉄格子のラインを額縁を超えてどのように拡大し、明確に説明づけてゆくかという彼のセンスを復活させてくれるのだ、と。

スパーリンの作品はすでに、ロンドンのハンガリアン・カルチュラル・インスティチュートで展示されてきた。そこでは、彼の禁欲的なテイストがハンガリーとハンガリー人のたくましい真剣さと結びつき、彼をリフレッシュさせ、インスパイアし、研ぎ澄ましている。

ヨーロッパ内外で場所を見つけたスパーリンは、空間の解放性を超えあみのようにはり巡らされたラインをキャスティングした、本当にアーティスティックなプロジェクトがついに実現に向けて動き出したことを確信している。

Text: Mark Griffith From Live Budapest
Translation: Naoko Ikeno

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