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リンフォックス

PEOPLEText: Natsume Shiroyama

ロンドンの新しいクリエイター集団・リンフォックスは、パトリック・チェン、バスチャン・グラスナー、クリス・マッケンジーの3人の集まりだ。彼等はロンドン大学にあるバートレット建築専門学校で建築を7年間学び、最近までデザイン会社で働いていたが、もっと自由に創作活動をして行く事を優先し、3人で独立。新しい環境では主にコンピューターを使ったデジタルムービングイメージやそれらの平面デザインなどを手がけている。

建築の修士号を獲得しながらもあえて「建築家」として活動していない点は一つのフィールドに縛られたくないと言う考えからだ。「今はコンピューターを使っての空間視点に興味を持っているが、それを実際のスペースに創作する事も考えられます。」と自由をモットーとした創作活動家達は言う。

彼等の作品は夢の中にあるミステリアスな物体や構造空間は全てゼロからコンピューターを使って創り上げている。インスピレーションは普段の生活からアイディアを得ていると言うが、結果的に形のあるアイディアが形の無い物と変化し、沢山の要素が元の形から砕かれ、集められ、新しい形として詰まって一つの環境を造り上げている。

学生時代に感じた「どこかにあるイメージや空間を再現する不必要性」が現在の創作方法に反映している。『例えばオフィスまでの行き順なら道角の美容室に置いてあるヘアードライヤースタンドが大きな印象となり、それが自分の中にそのストリート名などよりも大きい目印となるんだ。』どのような物事に対しても一つの見方だけがある訳では無いように、空間を感じ取り、表現する事にも色々な方法がある事を探究している。空間の環境とは図形や言葉の説明で理解する必要はないのだ。全てデジタル構成した彼等の作品だが、その表現は人間が生まれつき持っている直感や本能で物事を理解するという能力を称賛しているかのようである。有機的組織体のようなイメージや流れは私達の視点は自然世界と深くつながっているからではないだろうか?

制作順序事態が存在するかはわからないが、どの作品も皆その背景には膨大なリサーチがなされている。リンフォックスは、表面的な美しさには興味がない。私達がどういう空間により実在しているか、ある種の操作だけでどういったものが生まれるか、私達の感覚がどう感じるか、どう感じ取る事ができるのかという可能性を広げようとしている。彼等の作品を観て何かを一生懸命掴もうとする感覚に落とされるのは「未知」と名付けられた実は存在する感覚を刺激しているからか。

彼等は好きな音楽から音に関してもまた大きな興味を示し、音を使った映像なども幾つかある。過去にもプロモビデオ制作をしてきたが、これからもミュージシャンと多く共同して制作をして行く予定である。 また、リンフォックスは、VJ活動も行っている。機会があれば是非彼等の作品をライブでも観賞してみたい。

Text: Natsume Shiroyama

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