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トゥーンズ・キャンプ

HAPPENINGText: Chibashi

そんなに引っ越ししているんですか?もしや引っ越し好き?

別にそういうわけではないんですが、いろいろ事情があって今に至っています。名古屋では、栄という繁華街に住んでいたんです。その反動からなのか、綱島の川があって水鳥がいるような場所が気に入ってました。世田谷もそうだけど、静かなところがいいのかもしれません。

栄だったんですか。確かににぎやかな街ですよね。そこで得た感覚と、住環境のよいところに住むようになった感覚とがミックスされてきたってことでしょうかね。

あと、ずっと「団地」にあこがれていたんです。僕の住んでいたのは繁華街の一軒家で、周りは飲み屋だったので同じ年頃の友達もいなかった。片親だったこともあり、「ファミリー」というものにあこがれてきたところもあるんでしょう。それは作品をつくる際のテーマの根底に何かしら作用はしているでしょうね。

団地はシステマティックに住居が連なっていて、中庭があったりして、そういうところに逆に整った「ファミリー」的要素を感じていました。核家族とか。システマチックな家族構成。だから栄はずっと格好悪いと思っていました。

しかし団地って実際はそんなにいい環境というわけではないですよね。一律に型にはめられた住環境なんで、今ではネガティブなイメージもある。ただ、ある時代に団地が輝いていた時代ってありましたよね。

「ウルトラマン・タロウ」とかで見た団地のイメージがあるんです。実はそれが子どもの時に考えた東京のイメージだったりするんですよ。で、母親とかサイケな感じ。いいとこの坊ちゃんは大橋巨泉ライクな極太ネクタイとサスペンダー(笑)

なるほど!それは僕も子どもの頃からウルトラマンを見てそう思っていました。実際当時に作られた団地の建物ってどこかしっかりしてるし格好いいと思うんです。そういうこともあって、僕が今住んでいる建物も当時の建てられたものだし・・。

やっぱ根底の部分でファミリーを選んでいる。住まいや暮らしと作品がつながっているところってあるかもしれないです。あとはあの時代の雰囲気。アッパーな。そしてその後のダウナーなテクノロジー感覚の氾濫。システマチックなものがかっこよかった。

僕の知っているクリエイターで名古屋出身の人は、みんなすごく面白い人が多いんです。名古屋から受けた影響ってありますか?

街というより、名古屋は人間が面白いと思う。突拍子のない人が多いなと、名古屋に帰るたびに思います。名古屋の面白さを分析してみると、名古屋は東京と大阪にはさまれて、文化的コンプレックスがあると思うんです。

東京と大阪の両方のスタンスを受け止める環境にあるために、一人一人に各2都市のルールブックがあって、そこから常にこれがいいんだとチョイスしていかなくては負けると思っているのかもしれない。それで名古屋出身者には、強い、なんだかよくわからない確固たる主張があるんだと思います。でも、名古屋の中にいると、周りもみんな同じなんで頑張っても目立たない。東京にきて名古屋人が面白いっていうのは、名古屋を出た時に発揮されるのかもしれませんね。ただの田舎者だね。そこまで考えるのって。

インターネットで「今井トゥーンズ」を検索すると、ものすごい数が出てくるんだけど、今井さんのホームページはありませんよね。インターネットでの今後の展開などがあったら教えてください。

インターネットを見ているといろいろなファンの方が、ネットで応援してくれているのを目にします。それはとても嬉しいことです。そんな気持ちにいろいろと応えていきたいと思っています。

実は今度ソネットでマンガを連載する予定があって、それにあわせて自分もホームページをつくろうかな?と考えているんです。でも普通に日記があってBBSがあったりというのではつまらないし、どうしようかと思っています。あと仕事が忙しくて手が回らないだろうと。でもやる以上はちゃんと作品を表現する場として機能させたいですし。

最近通信速度も速くなってきて、映像とか重いコンテンツもどんどん盛り込めそうな環境ができてきていますよね。映像をつくるクリエイターとコラボレーションでホームページをつくったりというのも面白そうじゃないですか?

そうですね、実際自分の作品も、映像は他のクリエイターの方とのコラボレーションでやっています。インターネットを一緒にコラボレーションしてくれる人を募集しようかな?

せっかくだからこの場で募集!ということでいいかもしれないですね。何か条件とかありますか?

個人サイトはお金とか払えないと思うんで(笑)楽しくボランティアでも手伝っていいよという人がいたら嬉しいです。仕事的にも自分一人ではキツクなってきたんで、ヘルパーがほしいですね。こっちはお金出せます。

最後の質問です。時代の先を走っている今井さんですが、今後どう走っていきたいですか?

前からマンガを描きたい、メッセージ性のある濃厚な作品を作りたいと思っていました。そういう作品をつくっていきたいです。

メッセージというのは、具体的にはどんなものなんですか?

結局、究極のメッセージは「愛」とか「平和」とかそういうものに行き着くと思うんです。それは人間推敲のテーマだから。自分も人間だし(笑)。自分自身のオブラードでどのようにそれを包むのか、そして面白く伝えていくか?それをマンガとか、映画などでエンターテイメントとして表現していけたら嬉しいなと思っています。

展覧会が6月10日まで延期することになったということで、このインタビューがアップされる頃でも、まだ見に行けそうなんで、展覧会について一言お願いします。

こういう空間にいて面白かったとか、ライブペインティングのタッチを汲み取ってみてください。画面では伝わらない感覚を、会場でつかまえてくれたら嬉しいです。

TOONZ CAMP
会期:2001年4月28日(土)~6月10日(日)
時間:11:00〜20:00(月曜日休廊)
会場:GALLERY SPEAK FOR 
住所:東京都渋谷区猿楽町28-2 SPEAK FOR B2F
TEL:03-5459-6385
https://www.galleryspeakfor.com

Text: Chibashi

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