ベンジン

THINGS

スイスの若手デザイナー達の未発表作品を紹介する「BENZIN」。そのピンク色の鮮やかな装丁に惹かれてページをめくると、中には、今のスイスのグラフィックデザインシーンをリードする新進気鋭のデザイナー達の作品やインタビューがレイアウトも見事に集約され、スイスの今を感じ取れる内容になっている。グラフィックに興味がある人にとっては、必見の一冊になること間違いない。日本の大手書店でも入手可能とのことなので、幸運にも見つけた人は手に取って確かめてみてほしい。


はじめに自己紹介をお願いします。

トーマス・ブルッギサー&マイケル・フライズ。「BENZIN – ヤングスイスグラフィックデザイン」のエディターです。2人とも、チューリッヒ、DGMのモニカゴールドでグラフィックデザインを学びました。

BENZIN」について教えてください。

BENZIN は、現代スイスのグラフィックシーンを紹介する本です。僕達自身のリサーチに基づいて、個人的にデザインを選んで出版するという考えを思い付きました。収録されている作品のほとんどは、未発表のものです。この本では、デザイナーの実際の作品に焦点をあて、そういった作品が生まれることとなった環境や、デザイナーの姿勢を掘り下げ、紹介しています。

制作するに至ったきっかけは何ですか?

スイスのグラフィックデザインに関する雑誌記事に掲載するグラフィックを選んでいた時に、世に出るのを待っている興味深い作品がたくさんあるということに気付いたのがきっかけです。

収録するデザイナーを選ぶ基準は何かありましたか?

BENZIN は、将来有望なスイスの若手デザイナー達の作品を収録しています。作品を募集したところ、様々なクオリティーのポートフォリオが、80以上も送られてきました。集まった作品を大きなホールに並べて、その中から収録する45作品を選びました。常に、本に収録できるような作品を探しています。ここで言う作品というのは、スクリーンデザインやマルチメディア関係とは別に、タイプフェイスやポスター、フライヤー、イラストレーション、その他コマーシャル作品などのことです。このプロジェクトを続けてほしいと、多くの人に言われます。

作品だけではなくデザイナーのインタビューも掲載し、本自体の装丁、レイアウト共に素晴らしいものに仕上っています。レイアウトをするにあたり、最も注意した点、または、苦労した点はありますか?

本自体は、収録される作品よりも一歩退いた存在であるべきですが、BENZIN に関しては、本屋に並んだ時にセクシーな感じを与えるように心掛けました

制作にあたって多くの人が参加していますが、そのような協力関係はどのようにして生まれたのでしょう?

ひとりにコンタクトを取ると次に繋がり、結果的には、半年間もスイス中のスタジオ巡りをすることになりました。

グラフィックデザインで最も重要なことは何だと思いますか?

マイケル:心を掴むものであること。
トーマス:適切なソリューションを発見し、新しい表現方法でそれを発表すること。

この本を通して伝えたいことは何ですか?

現代スイスのグラフィックデザインの現状を紹介することによって、この本を手にとった人達が、彼等自身の道を突き進む勇気を与えることができたらと思っています。

「BENZIN 2」を制作する予定は?

BENZIN というレーベル名で続けていくつもりです。でも、次は全く新しい内容になる予定です。

スイスのグラフィックデザインシーンで興味深い動きはありますか?

ベクトルグラフィックデザインや、直線的なフォントデザイン、強烈なコンセプトを持った作品が主流となっています。と同時に、写真模写やチープな素材、ラフなフォントなどに立ち戻る動きもあります。今後スイスのグラフィックデザインは、徐々に落ち着き、次のグラフィックシーンに目が向けられるようになると思います。

スイスのタイポグラフィーは世界的にも有名で人気がありますが、その理由は何だと思いますか?

その昔のヒーローである、タイポグラフィーの元祖達の功績によるものです。プロフェッショナルな教育制度がスイスにあるというのも、理由のひとつだと思います。

注目しているデザイナーやアーティストがいれば教えてください。

グラフィックデザインに真面目に取り組んでいて、人生を犠牲にして作品に捧げている全ての人達。

最後に、今後の予定やこれからやっていきたいことなどを教えてください。

まず日本に行きたいです。


Benzin
248 x 171mm, 320ページ, ハードカバー, 2001
ISBN:3907078349

Thomas Bruggisser, Michel Fries
住所:Neugasse 6, 8005 Zürich, Switzerland
TEL:41 1 271 10 11

Text: Mayumi Kaneko

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