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ファッションラボ 2000

HAPPENINGText: Rei Inamoto

今回のショウでは、ファッション、建築、音楽、ビデオと、将来有望な個々の要素を発表したが、イベント全体としては、その在り方自体が極端に不足していたように思う。全体的に今イベントの最大の弱点は、個々の要素がお互いに巧く統一されていなかった点にある。準備も不完全だったようだ。何点かポイントを挙げてみよう。

1. ファッションショウのメイン会場のライティングが考えられない程ひどく、オーディエンスがショウそのものを見るのも難しい程だった。

2. 一つの空間で2つのショウを同時に行うのは面白い試みだったが、オーディエンスにとっては、全く機能していなかった。ステージの一方にいる人達は、実際ショウの一部しか見ることができなかった。かと言って、ステージの反対側に移動するのは殆ど不可能で、一度外に出て反対側の入り口から入るか、人の波をかき分けて無理矢理反対側に移動する以外なかった。

3. 全くダメだったのが、ビデオの映像。映像自体が刺激的であるかないかは別として、ビジュアル的にものすごく下手で弱々しく、ショウ全体の雰囲気に与えるものは全くと言っていい程何もなかった。

イベントカタログに載っていた説明文は、まるでこういった状況の言い訳をしているかのように感じた。例えば、『ステージでのファッションショウでは、オーディエンスが積極的にショウに参加できるような構成になっています。ステージの端から端へ移動し、2つのショウとその間に存在する空間のコンテクストの中で自分自身の場所を見つけてください。』

カタログに書かれたこの短いテキストが、オーディエンスに移動するよう促しているのは事実だが、もしそれが主催者の意図するものだとしたら、オーディエンスがショウに参加できるように、ショウ自体がデザインされているべきだった。残念ながら、会場で実際にそのような指示は、ひとつもなかった。(暗いイベント会場でカタログを読むことができたのなら話は別だが。)

また、上記のカタログの説明文を見ても明らかだが、カタログやフライヤーに掲載された説明文は、中身のない言葉ばかりで、具体的な考えのない言葉ばかりが羅列されていた。これは一種の傾向であって、今回のようないわゆるアートイベントと呼ばれるもののカタログには、不可解なフレーズが多く見られ、多分それがショウ自体や作品の洗練性、批准性を表すとみなされているのだろう。僕が思うにこれは、ショウや作品の背後にきちんとした強烈な考えがあり、その考えと同じくらい強烈なものが実行された場合にのみ機能するものであって、ほとんどのケースと同様、今回のイベントでも、残念ながらそのような強烈な考えは見受けられなかった。

これら否定的な要素は数多くあるが、今回のショウの主な構成要素である、2つのファッションを融合した作品というコンセプトは極めて強力で、数年のうちに間違いなくクオリティーの高いイベントになる可能性があることを証明してくれたように思う。

Fashionlab 2000
日時:2000年9月23日
会場:Eyebeam
住所:Office F1, 185 Wythe Ave, Brooklyn, NY 11249-3120
TEL:+1 347 378 9163
https://www.eyebeam.org

Text: Rei Inamoto
Translation: Mayumi Kaneko

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