グローバル’98

HAPPENING

ここパリの新聞は、このパリがかつてそうであったような博物館の中にいるような多様性を、ベルリンやロンドンに比べて失なってしまったと、しきりに論じているようだ。しかし、パリは今、この来たるべき新たなデジタルの時代において再び目覚め、活動を開始しようとしているのだ。98年11月はテクノがかつてない大きなうねりを見せ人々の間に浸透した月として永久に語り継がれることだろう。

9月に10万人以上の人々がストリートで踊り、参加したパレードのあとバルセロナで行なわれている Sonarのフランス版ともいえる Globalというデジタル・カルチャーやマルチメディアそして DJ Krews のプレイを呼び物にしたテクノ・パーティーが開催された。巨大な halle de la Villette の会場には最大7千人(主催者発表)の参加者があったらしいが、25,000人はいたのではないかと予想される。
これはこの手の大きなパーティーとしてはまれなことに、なかなか楽しめる内容となっていたのだが、ただ残念なのはチケット代の120フラン以上の何かが欲しかったということ。将来に期待したい。
DMX Crew と Opticalのアンダーグラウンド系エレクトロ、ジャングルサウンドは圧巻だった。実に素晴らしかった。DMXのDJのアレック・エンパイアーばりの叫びと「咳音ビートボックス」は最高だった!我々は決して忘れることはないだろう!

一方、テクノが、マーケットとして成熟した今、頭痛の種ともなる。巨大組織が運営して広く文化活動としようとしている一方で警察は特別対策を講じつつあるのだ。この Global Techno がいかにしてフランス文化庁によって運営されたのかを目の当たりにもしたし、かの有名な現代音楽研究所のラボである IRCAM がこのデジタル・カルチャーにどのように臨んだのかということも分かった。
テクノの極めてテクノ的側面と現代音楽的要素を巧みにミックスした Andrea Cera は本当に最高だった。さらにはアンダーグラウンド・デジタル・アンビエントの代表である Oval、Microstoria そして Christophe Charles が特製のエレクトロ・アンビエント・ミックスを披露。ちょっと前のイギリスのポップスターのようにきらびやかな衣装ではなく、特別なオーディオ・ソフト(東京在住のフランス人 Chiristopher Charles はMaxのオーディオ・ソフトを使用)でフル装備した Mac G3 でオーディエンスを魅了。目に映るものよりも耳に聞こえる音で、ここしばらく聞いた中では最高の音を出していた。
この真新しい TechnoArt vs TechnoCulture 月間は華々しく50年の経験を持つ作曲家 Piere Henry のライブによって締めくくられた。
ちなみにこの一部をネット上でも聞くことができる。

Meese pour le temps (昨年、Saint-etienneをはじめ多くのイギリスのハウスDJによりリミックスされた)も現在Cigalleでスペシャル・ライブ・リミックスを行なっている。これがつまらないありきたりのDJセットとなることなく、新しい試みをふんだんに取り込んだものになることを切に願う。彼を取り巻くプロモーションなどもかなり大がかりなものとなり、これでまた一人ポップスターが誕生したと理解して良いだろう。クラシック音楽がポップ音楽に、テクノが現代音楽に交わり、これがおそらく本当のフレンチテイストの発祥となるものになるだろう。
これらの新しいアート関連のデータベースを提供している「le centre Georges Pompidou」、ヴィデオ、オーディオ、3カ国語でニューメディア・アーティストの情報を公開している「l’encyclopéie des nouveaux m仕ias 」にも感謝したいと思う。

日時:1998年11月

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