ファーマーズ・マニュアル

PEOPLE

Farmers Manual という言葉の響きは何かを連想させずにはいられない。この名前を初めて聞いた時、様々な光景が脳裏に浮かんできた。トラクター、田園風景、草と牛や馬。けれど、インターネットで彼らの名前を初めて見かけた時、彼らがある意味実験的な集団としてネット上に存在していて、当初の連想とはほど遠いものであることに気付いたのだった。
偶然にも、DEXTROに会った時、 短時間ではあったが彼らに遭遇する機会を得た。その夜の記憶はあまりはっきりとしないものになってしまったのだが、数カ月後、彼らがドデカイ音量で有名な100人ほどの収容数の Fund Bureau で演ることになっていることを知ったのだった。会場へ出かけてみて、彼らの音とプロジェクターのアニメーション映像に度肝を抜かれた。
Farmers Manual はこの言葉から想像しがちなイメージとは大きく異なった存在であるに違いない。そこで4人のメンバーのうちの2人にインタビューを試みた。


ウィーンだけど、ずいぶん老人が多いの?

ステファン: 老人も多いし、それより犬やら老婦人も多いよ。それがウィーンだ。
全てが、出来上がっていて、かっちりと統率されているんだ、ウィーンは世界一のファシスト的な都市だね。 けど、ウィーンには本当に良い人たちがいると思うよ。まるで巨大な集団だね。全てが互いに結びついてる。
こうなるのも、シーン全体の基板が悪いからなんだ。バーやクラブなど、シーンを形成するような場がないためで、だからみんなスタジオで人に会う機会が多い。それで、みんな互いによく知り合っているんだよ。

Farmers Manualのメンバーは何人?

ステファン: 4人、いや違うか…

Farmers Manual は Spray (www.spraynetwork.de) に買収されたって本当?

ステファン: ああ(笑)、違うよ。買収なんてあり得ないよ。Hokan(Hamburg、Spray社社長)はストックホルムのコンサートに参加するんだよね。彼がそのあとなんて言ってくるか楽しみだよ。

そう?

ステファン: うん、でも分からないけどね。どうなるかそのうち分かるよ。評価してくれるかもしれないし、そうじゃないかもしれないしね。

で、この Farmers Manual という名前だけど、どういう由来?

ステファン: もともと、ある曲の名前だったんだ。それである時、これは良い名前だということになって。

ある曲?

ステファン: 4年半前のね。

自分のかい?

ステファン: うん。そうだな。何も特に意味は無くて、字づらがいいかなと…

じゃあ、曲が最初で、サイトは後だね。

ステファン: 4番目のメンバーのMathiasのスタジオで全てがはじまったんだ。

オズワルド: そう、自宅のね。

タダでネットにアクセスできる事務所について何か言ってたよね?

ステファン: うん、まずバイクのガレージのような場所に引っ越したんだけど、ここがオイルやらなにやらでひどい状態で、1、2か月も準備に時間がかかったんだ。そのあと、ウィーンでインターネットの重要な基点のある場所のそばに来たんだ。

無料のサーバー・スペースがあるのかな?

ステファン: いや、タダでネットにコネクトできるだけだよ。いや、タダじゃないな、けどとても速いね。2メガビットだ。超速いね。

Fund Bureau ではどんなハードを使ったの?

オズワルド: ラップトップ、ミニディスク、CDプレーヤー。

誰が、中心で?

オズワルド: 全員で最初の曲を演奏したよ。

ステファン: 一緒にね、しっかりと音に注意をして… サウンドとアクシデントが半々かな。

オズワルド: 僕らが使っているソフトは SupercolliderとMax、それにリアル・タイム系のソフトなどだよ。

ステファン: サンプルだけじゃなくて映像のサンプルともいえるパッチも使っている。

オズワルド: これはマック用のミディ・インターフェイスのようなものだ。(Midi用ではなくてシグナルプロセッシング用のソフト)

ステファン: これにはMaxに少し似たところがあるんだけど、とても面白い事があってImagineという名前で、Steimというオランダのラボのようなところで開発されているんだ。アムステルダムにあって、ものすごいソフトを開発してる。ヴィデオをリアルタイムでもやれるし、Midiともシンクロできるという代物だ。
ストックホルムでも使う予定だけど、面白い事になると思うよ。これがMidiとVideoのシンクロで使われるのはこれが初めてだと思うよ。

ところで日本に行くそうだね。

オズワルド: そうだね、ついに。

何か思うところはあるかな?行きたいと思ってた?

オズワルド: もちろん。

どうして?

オズワルド: 奇妙な魅力だね。

ステファン: ああ、そうだよ、ぶっとぶだろうね。帰ってきたらDEXTROの作品が理解できるようになると思うよ。

オズワルド: スシとミソスープを味わいたいな、それから新幹線もね。

Megoとはどんなふうに契約したの?

オズワルド: 偶然だよ。

ステファン: U4というウィーンでは中心的なクラブでよいところなんだけど、ここにある晩出かけたら、凄い音を出してる連中がいてさ。後で彼らに聞いてみたらマックを使ってるというんだ。

この場所の名前はというのは?

S: 地下鉄の線の名前みたいでしょう?ウィーンでは有名なところだよ。

Farmers Manual の音楽はどういうところから来るのかな?

オズワルド: どこでもさ、レコーディングとか..

ステファン: 映像と音を一緒につくったりしたよ。

映像?

ステファン: バイナリーデータを…

なるほどバイナリーデータを通すんだね。

ステファン: これが Farmers Manual の活動を象徴する好例かもしれないね。全てが交錯してオーヴァーラップするんだよ。

なんでもデジタル化できるものはしてしまうということ?

ステファン: ただデジタルたけじゃなくてアナログもありだよ。デジタルが中心だけどね。

デザインに影響されているように見えるね。

ステファン: 音楽がデザインにかい?

デザインが音楽に、

ステファン: 両方、同時だね。皆で音をつくり僕がグラフィックだ。

オズワルド: デザインは影響されるよ、なんにでも、全てにね。

Interview, Text: Jeremy Tai From FORK Unstable Media

Farmers Manual ウェブサイト:www.web.fm
その他のMEGO関連のイヴェント:www.mego.at/info/events.html

Farmers Manual は1994年、ウィーンで Mathis Gmachl、Stefan Posert、 Oswald Berthold により結成された。その他のメンバーは Eugen Danzinger、Gert Brantner などで、目的に応じてその他の人々も参加する。来年1月、彼らは東京の NTT ICC ギャラリーで、演奏を披露することになっている。

【ボランティア/プロボノ募集】翻訳・編集ライターを募集中です。詳細はメールでお問い合わせください。
コントワー・デ・コトニエ公式通販サイト | 2016 SUMMER SALE
MoMA STORE