半野喜弘

PEOPLEText: Sumie Okada

コンスタントに作品をリリースされていますが、制作中のエピソードやどのような機材環境で創作したのか教えて下さい。また、制作にはどの位かかりましたか?

実際の制作は、1曲を2〜3日位じゃないかなと思います。コンピューターベースです。後は、ピアノ、ギター、ベース、パーカッション等、生楽器も結構使います。必要なものを使うだけで、規則は全く無いです。

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どういう時にアイディアが浮かびますか?また、曲作りで一番大変なのはどんなところですか?

好きでやってることなので、大変な事はないですね。そして、好きな音楽をつくってるので、いつでもアイディアはあります。嫌な事をやるときは、アイディアは浮かばないので、苦労はしますね。

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数年前からバンドという表現スタイルを選んだ理由、きっかけを教えてください。

昔やっていて、途中でやめてしまったので、もう一度挑戦したいと思い始めました。後は、自分の肉体だけで何ができるかを再度体感するために。運動を始めるのに近い感覚です。瞬発力とか。

何人かで演奏することは、一人で演奏することとどう違いますか?

人が多いと、進むルートはより予測不可能になります。それが良いときもあれば、崩壊するときもある。それをどうやって、まとめあげていくか、良い瞬間をすくいあげるか、その瞬間のジャッジが一人の時以上に多岐に渡るということじゃないですかね。

今の音楽スタイルに行きつく過程で、影響を受けた人物や音楽は?そして今のご自身を作り上げたものは何だと思いますか?

影響を受けたものは、あまりにも多過ぎて列挙できないです。僕の音楽を支えているのは、人生への渇望と音楽への憧れですね。多くの偉人から、その音楽から沢山の事を学びます。それは今も同じです。

デジタル化の影響は、音楽シーンにもかなり大きな衝撃となっていると思うのですが、音楽とデジタルとのつながりについてどう考えますか?

不可欠なものですが、毒でもあります。毒の部分が、どんどん人々を浸食してると感じます。本質を見失いつつあります。

半野さんは様々な活動をしていますが、その活動の中で核となるものは一体何ですか?

音楽の中に、誰もが持ち得る普遍的な感情を見いだす事、そして未だに気付いていない未知の部分を探り当てる事です。自分という人間が、どういう人間なのかを確かめる作業なのかもしれません。

今後、どういった活動をしていきたいと考えますか?新たなプロジェクトやリリースの予定はありますか?これからの音楽的なプランや方向性を聞かせてください。

RADIQは今年は、イギリス、フランス、ドイツ、カナダ、そして日本と、沢山のレーベルからのリリースが予定されています。
半野喜弘としては、「BLOWFISH」という台湾映画の音楽を終えました。
そして、念願の自分の映画製作もスタートしました。映画づくりは僕の次の大きな目標です。

Text: Sumie Okada

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