「トランスクール・トーキョー」展

HAPPENINGText: Rachel Alexis Xu

視覚を用いた展示は、背景と環境にも繋がりをみせる。現在と過去、両方の文化的要素が見られるこの展示からは、現代美術が社会の歴史や文化からかけ離れたものでは無い事が伝わる。奈良美智の見ている者をものうげに睨みつける子供の絵は、純真な感性を愛する日本人を皮肉に表し、更に一目で伺える漫画の影響が印象的だ。

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村上隆による花の絵のシルクスクリーン版画は、日本においての技術の長く輝かしい歴史に対する敬意が伺える。これらは一見社会の意識からはみ出したそれぞれ異なった要素だが、もしかしたら逆説的に、日本の現代美術の時代精神となったのかもしれない。

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もし展覧会で少ししか察する事がなかったとしたら、アートが孤立状態の中存在し、少数の視点でうわべを飾っているのではないという事を知るだけでも価値かもしれない。トランスクール・トーキョー展は美術鑑賞を強力にかきたて、我々の興味をそそる機会ともなっている。

Trans-Cool TOKYO
会期:2010年11月19日(金)〜2011年2月13日(日)
会場:SAM at 8Q
住所:8 Queen Street, Singapore 188535
TEL:+65 6332 3222
https://www.singaporeartmuseum.sg

Text: Rachel Alexis Xu
Translation: Meiko Maruyama

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