オーストリアン・メンズ・デザイナー
PEOPLEText: Daniel Kalt
© Wilfried Mayer – S/S 09, Photo: Jürgen Knoth
オーストリア・ファッション・シーンで最近、頭角を現している一人が2005年にブランドを立ち上げたヴィルフリード・メイヤー。同じ年にイエール国際モード・フェスティバルでファイナリストにも選ばれている。彼は自身のファッションを「皮肉な形式主義」を説明するように、彼のとてもフォーマルな服を実験的な方法で製作する。彼のアプローチは「北欧人のクラシックエレガンスの解釈」とでも言えようか。2009年春夏コレクション「Neo Eon One」は男と女として二重の人生を送ったシュヴァリエ・デオンを暗示している。これはもちろんメンズウェアをファッションの現実逃避やインスピレーションとして手に入れる多くの女性へのオマージュとも取れる。しかし、メイヤーの最新のコレクションは賢く一昔の両性のファッションという概念を押し付けないようになっている。
© Petar Petrov – S/S 09, Photo: Christoph Pirnbacher
オーストリアと本質的関係にあるデザイナーとして最も有名なブルガリア生まれのピーター・ペトロフはウィーン応用芸術大学大学院を2003年に卒業し、そのままウィーンをベースに活動している。2003年にパリ・ファッション・ウィークでデビューをしてから彼の控え目で気取らないカジュアルなストリートウェアは瞬く間に人気になった。彼のレーベルはスレンダーでボーイッシュなシルエットへのこだわりがありエディ・スリマンや初期のリネケ・ダイクストラの写真集の中にいるような荒々しい(もしくはそうなりたい)ストリートキッズへ捧げられ続け、また東ヨーロッパのトラッシュ・シックという個性でペトロフは第一線で走り続けるだろう。
Text: Daniel Kalt
Translation: Naoko Wowsugi
