ペギー・ノーランド

PEOPLEText: Naoko Wowsugi

あなたのデザインに対しての周りの反応は?

多くの人は私がデザインする服をジョークだと思っていて、私のデザインする服ははユーモアがあるのは明確だし、そう思われてもいいと思ってる、けど私がやっていることはただシャツに袖を縫い付ける以上ものがあると信じています。みんな着ているものによってそれにあった役を演じ、それに合った行動を少なからずしていると思います。ジーンズやT-シャツだってコスチュームでしょ? じゃあジーパンとTシャツが「この服はいつもの私」という役を担っていれば、私のスパンコールのボディスーツは「特別な私」っていう役。私の作る服はエンターテイメントであって誰かを楽しませるための役割を着る人に与えていると思います。

いつも私は服を作りながら「この服はジョーク?モノトーンや色彩、流行、雑誌や評判を気にしたりするべき?これは本当に作るべきもの?もしかしたらふざけているだけかもしれないのに、こんなにも真剣に服を作るべき?ただシンプルにこれが毎日着たいものなのかも?」って自問自答しています。

Peggy Noland

あなたのコレクションをパンクやロックミュージシャンがステージで着るという作品の提示方法はあなたのデザインのコンセプトに沿っていると思うのですが、アーティストを通して作品を発表しようと思っていたのですか?

幸運にも一緒に仕事をしているアーティスト達はいろんな人から注目を集めたがっていて、私もいろんな人に私の服を見てほしいと思っています。実際にアーティストに着てもらって服を発表することは結構よくあることだと思っています。もっといえばありがちだとも思っています。この方法はとってもシンプルだけどそこから得るものはすごく沢山あります。
コレクターは汗臭くてもアーティストが実際に着たものをコレクションしたり、最近会ったコレクターは「CSS」のLovefoxxxが着ていたスパンコールのボディースーツと同じ衣装を持っていました。Lovefoxxxが実際に着た衣装でもないのに、彼女はその衣装を「踊るペインティング」だと額に入れて飾っていました。このスパンコールのボディスーツについては多くのパフォーマーやアーティストが同じものを購入しました。

SSIONというバンドは独自の格好をします。SSIONのためにデザインをするのはとてもユニークな経験です。彼らの衣装はそれ自体がSSIONのパフォーマンスであり、ロックバンドとはすこし違っています。彼らの衣装はそのライン、縫い目、曲線全てが計算されていているんです。アーティストがライブで私の衣装を着ている姿をどこかの雑誌などで見るのはとても面白いですね。自分の作品の旅日記をみているみたいです。

Peggy Noland

では、次に誰にコスチュームを作ってみたいですか?

私の作品をコスチュームと言われるのが嫌なわけではないけれど、私自身はコスチュームだとは思っていません。でも、コスチュームと言われるとさっきの質問で答えた「着る人に役割を与える」って意味がわかりやすくなりますね。私にとってファッションはペインティングや写真、もしくは経験そのものです。なので作品ありきということになります。誰のためにということはありません。

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