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ソクラテス彫刻公園

PLACEText: Garry Waller

クイーンズにあるソクラテス彫刻公園は、1986年まで主に不法廃棄処分に使われ、放置されたままの土地だった。この公園周辺の地域は、ほとんど知られることのない産業建築物や自動車整備工場、まれにアパートなどの建物もある都会の荒廃地である。1986年に、この荒廃した土地が地元のアーティストや住民の手によって、アーティストのための展示スペースや地元住民のための公園として生まれ変わった。今では、ここで定期的に野外イベントが開かれたり、彫刻作品も常設展示されている。

今回この公園に訪れることとなったこの週末は、「フロート(浮遊)」と呼ばれる展示会が開催されている最後の週末だった。2003年に初めて開催された時、この公園が港湾部であったためこの展覧会が企画されることとなった。この時のイベントのテーマは、「未来の過去にノスタルジアを」。

ここで展示されている作品には、過去に遠のいていく未来の光景が、短命さや時間をベースにしている点で表現されている。常設作品と同様に、このイベントではライブ音楽やパフォーマンス作品、デジタルメディア、その他の彫刻作品など、多様なメディアが使用されている。作品はどれもバラエティーに富んでおり興味をそそるものばかりで、見る側に多くの解釈を委ねるものもある。ここにある全ての作品が意味することを理解できるとは言い難いが、クリエイティブな表現というものは時に漠然としたものなのであろう。

言うまでもないが、私が行ったこの日は天気に恵まれ、訪れた人々はこの公園のリラックスした雰囲気を感じながらイベントを楽しんでいた。ここは大きな作品を作り展示できる機会をアーティストに提供することに専念している地域であり、ニューヨーク首都圏では唯一の場所としてそれに誇りを持つ、ユニークな所である。そしてさらに、ここは一年中市民に無料で開放されている。

一度は放置されてしまったこの場所が再利用され、アートを奨励するクリエイティブな活動の場として成功を遂げたことをこの公園の存在が証明している。

Socrates Sculpture Park
住所:32-01 Vernon Blvd. Long Island City, NY 11106
TEL:+1 718 956 1819
https://www.socratessculpturepark.org

Text: Garry Waller
Translation: Kyoko Tachibana
Photos: Garry Waller

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