BO130 & MICROBO

PEOPLEText: Roberto Bagatti

『グラフィティを描くって事は危険やリスクを負ったり、もちろん警察や母親や友達にケンカをふっかけるようなものだ。いいか、そんなものは承知で、列車を襲撃してやるんだ。窓から乗り出してただ列車を見てるだけの奴になりたいのか?表に出て、絵を描いてみろ、周りから無法者呼ばわりされたって構うもんか。』− リー・キュノネス、チャーリー・エーハーン著「ワイルド・スタイル」より

イタリアのヒップホップシーンは、近頃のストリート系ブランド洋服人気に乗ってさらに広がりをみせ、徐々に若者の間では盛り上がりつつあるが、英語という言葉の壁があるためにまだまだアメリカのラップには及ばない。こんな状況でも、グラフィティはこのヒップホップ人気を介し注目を浴びるようになってきた。

ひとたびミラノの街を歩けば、どれだけ街中にグラフィティが多いかに気付くだろう。至る所に描かれたグラフィティの多さとそのクリエイター達の勢いには目を見張るものがある。タグ(アーティストが本名を隠すためのグラフィティ用の名前)、スプレーで描いたもの、ステンシルやポスターがそこらに散らばり、どの通りも彼らに占領されてしまっているようで、橋を建設しようと思っても仕上がる前から彼らの格好のキャンバスとされてしまう。私が住んでいるミラノ市街の南側の地区も、あるクリエイターに目を付けられ、そこからずっと遠く離れた地区までがもうグラフィティだらけである。

その絵のスタイルも様々で、ポスターやステッカーを好む若い世代の若者や昔ながらのスタイルで描き続ける人など、幅広い年齢のクリエイター達が一同に集っている。ミラノにおけるグラフィティシーンの注目すべき点は、地元のクリエイターに並んで、イタリア国外に住む外国人クリエイター達の作品も多く見られることだ。ここでは、双方のコラボレーションによる斬新なスタイルの作品が見られる。

『トップに登り詰めるためには、自分の名前をそこら中に書きなぐって街を占領するのではなく、周りの他のアーティストと認め合い、自分の作品をみんなに見てもらうために仲間を誘ってコラボレーションしたり最終的には街や通りを演出することだ』と BO130は話す。つまり、タグを使っての攻撃的なやり方ではなくて、もっとクリエイティブな方法でストリートをデザインしていこうというのである。

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