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アイコ・ディンクラ

PEOPLEText: Ania Markham

ユトレヒト美術館がアイコに、展覧会で彼に部屋を丸ごと提供するという話を持ちかけ、決定した後、彼は新しい方向性の作品を制作し始めた。

『僕にとって、夢や過去、そしてイェフケと共有するストーリーをビジュアル化することが重要なポイントでした。僕は、一つの部屋全体が、僕らの夢の世界そのものであると同時に、幻想の世界のようにもしたかった。なぜなら、僕は、それこそがファッションの本質だと考えているからです。僕は、僕とイェフケの生活から生まれる様々な要素をこの部屋に表現するという、個人的な傾向の強い芸術作品にしたかった。しかし、美術館側から、ファッションから内容を広げすぎるのは、展覧会には適さないとの指示があり、今は、このアイディアが表現できる美術館はないかと、探しているところです。』


Aico Dinkla “What you see I is wearing you can’t get” Exhibition view, Centraal Museum, 2003

『僕は、“シリコンを使うファッションデザイナー” というふうには呼ばれたくないです。それは僕の表現方法の一つでしかなく、他にも新しい素材や方法を模索していくつもりです。僕は自分自身をマルチアーティストと考えており、表現方法が彫刻、写真、文章と変わっても、表現することができる。だからといって、ファッションを捨てるというのではなく、むしろ詩や文章やなどと結び付けていきたいと考えています。自分がファッションデザイナーではなく、アーティストなのだと認識することができてよかったと思っています。』


Aico Dinkla “What you see I is wearing you can’t get” Exhibition view, Centraal Museum, 2003

近い将来、アイコはコミッションワークと、映画やバレエなどでファッションデザインを続ける予定だ。また、彼のプロジェクトを実現できる美術館を探しつつ、自身の作品制作の上で、インスピレーションを受けた国々で展覧会を開きたいという野望も持っている。『一番興味があるのは、日本です。ここ数年、日本から得た影響は大きいので。』

Aico Dinkla “What you see I is wearing you can’t get”
会期:2003年8月30日〜11月30日
会場:Centraal Museum
住所:Nicolaaskerkhof 10, Utrecht, The Netherland
TEL:+31 (0)30 236 2353
https://www.centraalmuseum.nl

Text: Ania Markham
Translation: Naoko Fukushi
Photos: Courtesy Centraal Museum, Utrecht © Aico Dinkla

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