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ミニチュア・ワンダーランド

PLACEText: Andrew Sinn

ミニチュア・ワンダーランドは、世界最大級のミニチュア鉄道モデルの祭典。以前はハンブルグ市内のディスコで騒いでいた4人の男達が、彼らの子供時代の夢を実現させたものだ。プラモデル制作者のゲルハルド・ドーシャーとその16名の仲間達、そして30名のスペシャリストとボランティアスタッフの手によって、300平方メートルにも及ぶ模型が作られた。展覧会開催までに費やした日数は9ヶ月。その間、モデルのサイズもぐんぐんと大きくなり、現在は440平方メートルにまでに拡大。つまり、100平方メートル分長く展示物を楽しめるという訳だ。

© Miniatur Wunderland

草原、森、山、川、海、そして街が鉄道モデルの中に広がっている。そこには、橋、トンネル、工場地帯、鉱山、風力発電の風車、遊園地、刑務所、スキー場、そして迷路もついた巨大なお城まであるのだ。その風景の中を、沢山の列車が走っているのである。しかし、動いているのは列車だけではない。車も走る!車には電池で動くエンジンが内蔵されており、道路に隠されているラインの沿って走るという仕組みだ。ヘッドライトも点いており車線変更も可能。違う街にだって行けるのだ。

鉄道モデルが展示されている部屋のライトは、15分ごとに青空から徐々に夜へと変化。夜になれば、列車、車、そして家々の小さな明かりがぽっと点灯。その何分か後には、部屋のライトの色は徐々に赤くなり、そして通常の白へ。ワンダーランドの新しい一日の始まりだ!

技術的な精巧さだけが、ワンダーランドの素晴らしい点ではない。この作品をこれほどまでに卓越したものとして完成させたのは、モデルの至る所で発見できる数え切れない程の細かい作業だ。まるで地球を宇宙から眺めているように、人、動物、車、そして列車が点在しているのが見える。もしかしたら時には、その状況の背後にあるスト−リを理解するのに時間がかかってしまう場合もあるだろう。例えば、人々が輪になって集まっているのだが、そこではバンジージャンプが行われている。人の輪に囲まれたクレーンに男がぶら下がっているのに目をやれば、一目瞭然だ。このような小さな小さなストーリーが、モデルの中にはいくつも隠されているのだ。

作品の前にある手すりには、スイッチがいくつかあるのだが、これはスキー場のリフトを動かしたり、ロータリーの信号や遊園地の効果音を出すためのもの。刑務所ではサーチライトがきらりと光り、脱走を試みる囚人を照らしている。

この展覧会は年中無休でオープンしており、少なくとも10年は開催されているとのこと。ハンブルグにお越しの際は、是非立ち寄ってみてほしい!

Miniatur Wunderland
営業時間:10:00〜18:00
住所:Kehrwieder 2, 20457 Hamburg
info@miniatur-wunderland.de
https://www.miniatur-wunderland.de

Text: Andrew Sinn
Translation: Sachiko Kurashina

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