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インタラクション 2001

HAPPENINGText: Jo Kazuhiro

インタラクション 2001、今回で5回目となるこのシンポジウムは、3月5日、6日の2日間に渡り、東京の早稲田大学を会場として開催された。生活を豊かにし、実世界と有機的に連携する「情報技術」を展望する場として、約300名が参加した今回のインタラクション2001では、12件の論文発表と、58件のデモンストレーションを交えたインタラクティブ発表が行われた。メディアアーティスト八谷和彦による招待講演で幕を開け、2日間に渡り、これからの情報技術のあり方に対する多くの研究が示された。

「インタラクション」は、情報処理学会の主催するシンポジウムで、通常の口頭発表に加え、デモンストレーションを交えた聞き手との対話形式による、インタラクティブ発表が大きな特徴となっている。

実行委員長の土井美和子による、『誕生から20年経った GUI(Graphical User Interface)、に続く新たなインターフェイス、21世紀のインターフェイスができつつある歴史的な瞬間だ』という開会の挨拶に続き、メディアアーティスト八谷和彦の招待講演が行われた。『美術と技術の界面のお話』というタイトルのこの講演では、視聴覚交換マシンや、ポストペットなどの自身の作品や、日本の他のメディアアーティストの紹介を交えながら、インターフェイスを作るのが自分の仕事、人と人とをどう結びつけるか、枯れた技術をバカなことに使う、コンピュータ・技術が前面に出ない作品、クオリティーを上げるにはエンジニアとくっつつほうが良い、といった内容が話され、その中でも、「技術をアウトプットするときには細心の注意が必要」、といういわばメディアアーティストから技術者への要望とでもいう言葉が印象的だった。

続いて、実世界をテーマとした論文発表がおこなわれた。ここでは、早稲田大学の園田らによる空中での手書き文字入力システムの発表に続き、ソニーコンピュータサイエンス研究所の暦本、大場、MITのブリッグ・ウルマーらによる、「DataTiles」の発表があった。これは透明なタイルをトレイ(水平な平面ディスプレイ)の上に配置することで、コンピュータや情報を制御するもので、例えば白地図が印刷された天気図のタイルと円形の溝が掘られた時間軸のタイルとを組み合わせると、ペンで溝をなぞることで、時間の変化に応じた天気の変化を知ることができる、といったように様々なタイルの組み合わせで多様な機能を実現することができる。

システムの構成を簡単に説明すると、タイルには無線を利用したRFIDタグが内蔵されており、それによりトレイはタイルの置かれた位置を認識し、対応した画像をディスプレイ上に表示する。ソフトウェアはJAVAで構築され、ユーザがタイルを置くことで対応したクラスファイルを動的に読み込む。今回のインタラクション2001の中で、この「DataTiles」の技術的・デザイン的な完成度の高さはずば抜けており、この手で実際に体験することができなかったのが非常に残念だった。

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マリアンナ・ドブコウスカ
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