「Nのパラドックス」展

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近藤愛助と古堅太郎による2人組のユニット「A/T」が、イサム・ノグチを軸とした展覧会「Nのパラドックス」を、広島のアートギャラリーミヤウチにて開催する。

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A/Tは2016年に発足。互いのルーツやアイデンティティを巡る話から、古堅の祖父の故郷である沖縄への取材旅行が始まった。普天間基地移設問題で揺れる辺野古のキャンプシュワブゲート前での出来事に衝撃を受け、2人はそれぞれのルーツだけではなく、戦争やテロ、当事者と傍観者などをキーワードに現在の立場から思考を巡らせるようになる。

この夏、広島でA/Tは、沖縄での記録映像の再編に加え、日本人の父とアメリカ人の母の間に産まれた「イサム・ノグチ」を軸に、リサーチを実施。彼は戦後、建築家の丹下健三の推薦により広島平和記念公園に設置する原爆慰霊碑のプランを作成するが、ノグチがアメリカ人であることへの審査員側の抵抗から不採用となった。また、近藤、古堅それぞれの視点を通して視覚化する作品の展示、さらに詩や文献の朗読を重ねあわせるといった多面的な構成により展開していく。 本展のタイトルに使われる「N」は、ノグチ(Noguchi)、国家(Nation)などを想起させる。

「Nのパラドックス」展
会期:2016年9月3日(土)〜10月16日(日)
時間:11:00~18:00(入館は17:30まで)
休廊日:火・水曜日
会場:アートギャラリーミヤウチ
住所:広島県廿日市市宮内4347番地2
TEL:0829-30-8511
https://www.miyauchiaf.or.jp

Text: Aya Shomura

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