ローマ現代アート美術館(MACRO)

PLACEText: Victor Moreno

MACROで現在開催されているレトロフューチャー・プロジェクトでは、収蔵コレクションから注目すべき作品が展示されている。イタリア人写真家ジョヴァンナ・シルヴァは、アーカイブコレクションの写真から空間全体を覆う巨大な壁紙として印刷した。これは、新進気鋭のイタリア人アーティストが新作を展示するために使用されるこのスペースの背景となっている。


RETROFUTURE. Notes for a Collection Exhibition view. MACRO, 2021. Photo: Simon d’Exéa.

ここで紹介されている作品には、ポリフィロの夢の物語に触発された一連のシーンで構成されている、フランチェスコ・フォナッシーによるオーディオを使用したカローラ・ボンフィリ(ローマ、1981年生まれ)の映像作品「Polia」(2019)や、ベアトリス・マルキ(ガッララーテ、1986年生まれ)の空港の動く歩道でに変身する女の子バンドの映像作品「Story of a Girl band」(2018)がある。


Fore-edge Painting with Tauba Auerbach, Kerstin Brätsch, Cansu Çakar, Enzo Cucchi, Camille Henrot, Victor Man, Andrea Salvino, Andro Wekua Exhibition view. MACRO, 2021. Photo: Alessandro Saletta, DSL Studio.

また、カミーユ・アンロ(パリ、1978年生まれ)によるインスタレーション「Three Questions」(2021)も注目に値する作品だ。彼女は、キャンバスとしてイタリアの百科事典を使用し、本のページの側面に、ハイブリッドの神話上の生き物、通路の守護者ダルスフィンクスを描いた。ケルスティン・ブレチュ(ハンブルグ、1979年生まれ)の水彩画には、ドイツの精神科医で哲学者のユングの本と、ウィリアム・ブレイクが描いたダンテの神曲が使用されている


SALVO, Autoritratto come Salvo Exhibition view. MACRO, 2021. Photo: Melania Dalle Grave, DSL Studio

最上階には、音楽の即興演奏の手法からヒントを得て考案された一連のモノグラフィックにフォーカスした展示「ポリフォニー」が行われている。単一人物の作品は、他の影響を通じて探求され、拡大される。それぞれの焦点は、新しい要素の追加のおかげで時間とともに成長し姿を変えるのだ。

MACRO – Museum of Contemporary Art of Rome
時間:12:00〜20:00(金・土曜日22:00まで)
休館日:月曜日
住所:138 Via Nizza, 00198 Rome
TEL:+39 (0)6 69 6271
https://www.museomacro.it

Text: Victor Moreno
Translation: Saya Regalado
Photos: Courtesy of MACRO - Museum of Contemporary Art of Rome

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