東京アートブックフェア 2019

HAPPENINGText: Yu Miyakoshi

TABF 2015 – 転機

TABFは、2015年に一つの転機を迎える。発起人である江口氏がジンならぬお酒のジンを作る蒸留家に転身するというので()、運営チームから退くことになったのだ。そこで2015年からはブックショップ「ポスト」代表の中島佑介氏、ディストリビューター「トゥエルブブックス」代表の濱中敦史氏、デザイナーの田中義久氏らが加わり、ユトレヒト、ポスト、トゥエルブブックスの三者と、東氏を中心としたチームが結成された。その時からディレクターを務める中島氏は、次のように語る。


Kyoto Zokei University and Tohoku Art Institute of technology campus gaien, TABF 2015, Photo: Akihiro Itagaki
アートディレクターに就いた田中義久がサインのデザインを手がけ、会場に鮮やかなコントラストを生み出した。

中島:TABFには、以前から出展したり見に行ったりしていて、新しいアートブックシーンを体感する場として楽しませてもらっていました。ところが2014年の冬に、東さんと偶然道で出会い、『ちょうど中島さんに連絡しようと思っていたところでした。TABFのディレクターをやってもらえないですか?』と思いがけない相談をいただいたんです。江口さんの後任に僕を推薦してくださったとのことで、その場でお引き受けしました。


Exhibition “Irma Boom Books”, Kyoto Zokei University and Tohoku Art Institute of technology campus gaien, TABF 2015, Photo: Akihiro Itagaki
世界中のファンを魅了するオランダのグラフィックデザイナー、イルマ・ボームのブックデザインに焦点をあて、これまでに手がけた約100冊の書籍を紹介。中島佑介による企画。

中島:僕自身は2011年から出版社単位で本を紹介する書店「ポスト」を始めて、海外の出版事情をリサーチしていく中で、まだ日本に紹介されていないアートブックやブックメイカーたちがいると感じていて、より多くの方に世界のリアルなアートブックシーンを知ってもらうために何か新しいことができないかと考えていました。新しいチームには、以前からそんなことを相談していたデザイナーの田中さん、「トゥエルブブックス」の濱中さんにもメンバーに加わってもらい、TABFが築いてきた文化や価値を引き継ぎつつ、世界の優れた出版文化を多くの方に体感してもらう機会を提供するプラットフォームへの発展を目標に参画させてもらいました。

※江口氏は2018年に「ミトサヤ 薬草園蒸留所」を設立。現在はボタニカルブランデーを作っている。ジンを作るというのは洒落だったのかもしれないし、本当だったのかもしれない。

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