アンノウン・アジア 2017

HAPPENINGText: Taketo Oguchi

去る、11月4日、5日にかけて大阪梅田のハービスホール大阪を会場に、国内及びアジア各地から次世代クリエイターが集う新しい形式のアートフェア「アンノウン・アジア 2017」が開催された。第3回目となる今年は、日本、中国、台湾、香港、韓国、タイ、マレーシア、シンガポール、インドネシア、フィリピン、ベトナムなど、アジア10カ国から総勢200組のクリエイターが出展。去年に続き、5,000を超える来場者数を記録した。

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アンノウン・アジアは、単なるアートフェアではない。審査員やレビュアーと呼ばれる企業やクリエイティブ業界関係者、ギャラリストなど多くの人たちが参加し、お気に入りの作家に投票を行う仕組みとなっており、各々は副賞として作家に活動を支援する機会の提供を行う、というのが特色となっている。去年に引き続き、SHIFT編集長である筆者は審査員の一人としてプレビューに参加した。勢いを感じさせるユニークな若手の作家の作品が多く、誰に投票するかはとても難しかったが、興味深い作家を幾つかここで紹介したいと思う。(敬称略)

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去年も紹介した、大阪在住のジュエリー作家・コジマエミコ。虹をテーマにしたジュエリーブランド「PRISM」の商品に加え、今回も実験的な一点もののアートピース/アクセサリーを多数出品していた。まだまだ荒削りだが、前年に比べ完成度が上がっているように感じた。本フェアに限らず続けて出展することは認知の上でも重要だ。

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こちらも去年に引き続き参加していた前野めり。手刺繍による平面アート作品を発表していた。シュールな世界観の中にどこかほっこり微笑ましい部分を持ち合わせたイラストが特徴的。下書きをせずフリーハンドで刺繍するスタイルで、最終的にどのような作品になるかは本人にも完成するまで分からないという。本展では会期を通してライブで刺繍を行っており、人目を惹いていた。

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エブリン・プリットは、ジャカルタとバリ島を拠点に活動する写真家/アーティスト。自身を取り巻く事象や、無限の思考への問いの視覚化を探求している。作品は碧、黒と白などを基調に、海や陸、空などを撮影したもので、美しくとても神秘的な雰囲気を漂わせていた。

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葛西由香
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