モノ・ジャパン

HAPPENINGText: Kiyomi Yui

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Photo: Masaya Takeda / © MONO JAPAN

会場は1階から6階に点在していたので、来場者は全館を散策するように見学。その雰囲気はまるで迷路とマーケットをミックスしたような趣で、訪れた人をわくわくさせた。このフェアの様子は、後日オランダ内外の各メディアで紹介され、多くの来場者が日本文化との出会いを楽しんだ様子が伝えられた。

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山の形, Photo: Kiyomi Yui (Studio Flog) / © MONO JAPAN

来場者の大半が、日本の文化や伝統工芸、あるいはオランダのインテリアデザインとの相性などについて深い関心を持っていた。例えば、山形県の伝統技法でコンテンポラリーな作品をプロデュースする、「山の形」の展示会場で出会った40代の女性。手編みのショールを長い時間をかけて吟味していた彼女はインテリア小物を販売するウェブショップのオーナーで、そこで販売できそうなプロダクトを探しに来たと言う。「近年の世界の雰囲気はどんどん硬質になっています。そのため、多くの人々が生活空間には柔らかくて温かみのあるものを求めるようになりました。このフェアのプロダクトは、人の手が生み出したという温度感をしっかりと持っている。現代のライフスタイルが求めているテイストだと感じました」と話してくれた。

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List;, Photo: DANIËLLE REIZEVOORT / © MONO JAPAN

屋根裏の客室をアレンジした「リスト:」の会場には、長崎の職人が作った陶器の食器や小物が並んでいた。会期初日、オープン直後に早速食器を何枚も購入していたのは、フードフォトグラファーの40代の女性だ。撮影で使うつもりだと言う。日本のクラフツマンシップには「尊敬の念を抱いている」と言うこの女性は、「日本の工芸品が持つ美、機能性、そしてディテールに注がれた集中力は、“デザイン”という言葉では言い表せない次元のもの。それは、生きることへの畏怖の念であり哲学そのものだと思います。仕事の中でも、日本の食器は特別な意味あいを込めて使っています」と、日本の伝統工芸への思いを語った。

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BLUEVOX!, Photo: Kiyomi Yui (Studio Flog) / © MONO JAPAN

3Dデータによる造形技術を駆使して作られた、紙のように薄く美しい漆の杯を展示した「ブルーボックス!」の展示会場では、化学業界誌のライターをしているという50代の女性と出会った。「ハイテクを駆使することで生まれる、新しい伝統美に興味を持っています」という彼女が抱く日本のデザイン像は、究極のミニマリズム。「ソフィスティケートされた簡潔な造形美が見たかった」と来場の動機を話してくれた。

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TIME&STYLE, Photo: Kiyomi Yui (Studio Flog) / © MONO JAPAN

ヨーロッパ各都市のデザインフェアに幾度となく参加した中で「モノ・ジャパンが最もよいフェアだと感じました」と率直な感想を述べるのは、タイムレスで良質なデザインプロダクトを生産販売するブランド「タイム&スタイル」の社長、吉田龍太郎氏だ。吉田さんは今回の出展で、オランダ人の日本文化に対する理解の高さに驚いたと言う。「フランスやドイツ、北欧よりも高いと感じました。日本文化の概念、そして日本のプロダクト特有の“佇まい”に対する洞察力や直感力は、ともすると日本人よりも鋭いかもしれないと思います」と、来場者の反応の良さを評価した。


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