LLOVE
PLACEText: Memi Mizukami
秋が例年より短くなるそうだ。魅力的なイベントが多く開催されるこの時期に、一番“愛”に満ちた美しい企画が「still in Llove」というキャッチコピーと共にオランダからやってきた、一ヶ月間のみ運営されるギャラリー兼ホテル「LLOVE」(ラブ)だ。
この企画は日本とオランダのクリエイターがホテルの客室をイメージして制作されるインスタレーションの作品であり、実際に宿泊施設やカフェとしても機能する新しい空間として、オランダにある「LLOYD HOTEL」(ロイドホテル)のディレクターであるスザンヌ・オクセナーによって日蘭国交樹立400年を期に企画された。
#314 LLOVEクリエイティブチーム+長坂常 © Photo: 太田拓実
(学生とのワークショップによるもの。ニュートーキョーコンテンポラリーズがコーディネートしたアートワークが入ります)
各々の部屋はどれもまるで違っており、日本のラブホテルのデザインからインスパイアされたものや、日本とオランダで連絡を取り合う際に生まれた誤解が生じてアイディアとなり制作に到った作品など、できる過程もそれぞれ違ったようだ。どれもテーマは“愛”で作られており、様々な形の愛を見ることができる。相対的な愛や絶対的なものとしての愛。部屋の全ては“格好良い”というよりはどちらかといえば可愛さを持て余した不恰好すら感じるのは、愛をテーマにした故のもろさと少しの悲しさを感じるからであろうか。
宿泊施設の他にも見所は多く、まず一階にあるカフェではおいしいご飯とお酒を飲むことができるし、驚くほど素敵な中庭から一日をスタートすることもできる。この代官山の駅から1分ほどの場所にある奈良県職員のための宿泊施設だったこの場所に、このような緑溢れる庭があったということに少なからず驚くことだろう。
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