「ロング・ストーリー・オブ・コンタクツ・オブ “アザー・サイド”」展

HAPPENINGText: Alex Hiroki Coles

京都に新しくオープンしたギャラリー、ベクソン・アーツ・京都にて開催されていた、ベルリンを拠点に活動するイスラエル生まれの写真家、イシャイ・ガルバシュの作品展「ロング・ストーリー・オブ・コンタクツ・オブ “アザー・サイド”」(“あちら側”との接点の長い物語)は、対立する地域における苦しみとトラウマに焦点を当てている。北朝鮮と韓国の国境、ヨルダン川西岸、北アイルランドの3つの違った場所で撮影された写真が並び、これらの地域はすべて、深刻な対立により物理的な障壁で分断されている。写真に映し出される壁やフェンスを通して、そのことが示されている。

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Yishay Garbasz “Tunnel Road 2”, 2004, c-print, Exhibition: The long story of the contacts of “the other side”, Baexong Arts Kyoto

障壁の反対側を境界線越しに見ることで、どのようにその地域が対立によって分断されるようになったのかを写真で記録している。1枚の写真は韓国の国境付近に住む人々、その人々の暮らしを写す。彼らの多くは年老いた農民で、貧困の中、必死に生きようとしていた。

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Yishay Garbasz “Huwara checkpoint”, 2004, c-print, Exhibition: The long story of the contacts of “the other side”, Baexong Arts Kyoto

展覧会の上の階へと足を進めると、同じような地域の写真が続いている。特筆すべきは、部屋の中央にある韓国の地域を映した数枚の大きな写真だ。1枚は防空壕に焦点を合わせており、その地区は北朝鮮との国境のすぐ隣にある。

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Yishay Garbasz “Modin’ Illit”, 2004, c-print, Exhibition: The long story of the contacts of “the other side”, Baexong Arts Kyoto

「私の母の足跡:ホロコーストの生存者の旅」はガルバスによるもう一つのシリーズ。こちらは作家の、よりパーソナルな部分に寄り添い、彼女の母親の経験、ホロコーストの生存者としての葛藤を記録している。これは展覧会の一部ではないが、作品イメージは展覧会内の本で確かめることができる。

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Yishay Garbasz “Seagull migration”, 2014, single-channel video, Hani Beach (Baengyneongdo), Exhibition: The long story of the contacts of “the other side”, Baexong Arts Kyoto

展覧会の写真を見て、対立の衝撃や苦しみ、それによって人々や景色が受けるトラウマを探求していくことで、その作品の奥に、深く、力強い意味を感じ取ることができる。

イシャイ・ガルバシュ「The long story of the contacts of “the other side”」
会期:2016年1月15日(金)~2月28日(日)
時間:12:00~19:00
休館:火曜〜木曜日、2月5日〜7日
レジデンス期間:1月2日(土)〜3月4日(金)
ワークショップ:2月27日(土)14:00〜16:00
会場:ベクソン・アーツ・京都
住所:京都府京都市南区東九条中札辻町27-3
TEL:050-5857-8454
http://baexong.net

Text: Alex Hiroki Coles
Translation: Sayaka Ito

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