ワビサビ「メタルックス」

THINGSText: Aya Shomura

museum_dm_ura_ol札幌を代表するデザインユニットであるワビサビが、人物や花などのモチーフをフリーハンドでラフに描き、その線と線が交わることでできるそれぞれの領域を、ひとつひとつペイントした作品「メタルックス」。その名称は「メタル」(金属)と「ルックス」(容姿)を繋げた彼ら独自の造語である。

超日本展
METALOOKS/No.01, WABISABI, 2015, 1,030 x 728mm, Giclee Print

けれども、札幌のクリエイティブ複合施設「ミュージアム」2階への移転オープン1周年を記念し、クラークギャラリー+SHIFTにて開催されている、同名の展覧会「メタルックス」のフライヤーやDMにも使用されているカラフルな作品を観て、すぐに「メタル」という印象を受ける人は少ないだろう。実は、この手法は6年ほど前から用いられているが、初期の作品群はすべてモノクロで、グレーのグラデーションによって制作されていたのだ。その「メタリックな質感を持った容姿」という意味から、この手法を彼らは「メタルック」と呼んでいたという。

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Exhibition “METALOOKS” WABISABI, Clark Gallery+SHIFT (Sapporo), 2015, Photo: Yoshisato Komaki

確かに、モノトーンで描かれたフリーハンドのラインも、グラデーションも、金属的な光と影を演出している。遠目では気付かないが、金属の質感を出すための「交差線内のディテール」も見逃してはならない。

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The Japan Brain Dock Society General Meeting SENDAI, WABISABI, 2011, 1,030 x 728mm, Silk screen

2011年にシルクスクリーンで作られたモノクロの処女作は、どこかサビ(中西”サビ”一志)氏にも似ている気がするのは、私一人だけではないようだ。

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METALOOKS/No.09, WABISABI, 2015, 1,030 x 728mm, Giclee Print

カラーバージョンは最新の作品群だが、手法は同じでもメタリック感はない。写真でも絵画でもない、ワビサビによる表現の新しい世界観だ。ピカソのキュビズムのような再構成性、モディリアーニの描く人物の眼差しにも似た優しくも虚ろな物語性も漂う。

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METALOOKS/No.05, WABISABI, 2015, 1,030 x 728mm, Giclee Print

『元々は、デザインや撮影などを考える時に鉛筆でグリグリとサムネイルを描くのですが、そのラフな線をそのまま作品に出来ないか、と思ったのが始まりです』とメタルックスを考案したサビ氏は言う。感覚的なものを作品へと構成、昇華させるのは大変な工程かもしれないが、これだけモチーフに美女が多いので楽しいに違いない。どうにかして彼女達と視線を合わせたくて、何度も離れたり近づいたりするのだが、片想いのままである。

WABISABIポスター展「METALOOKS」
会期:2015年6月3日(水)~30日(火)
時間:11:00~19:00(月曜日、第3火曜日定休)
会場:クラークギャラリー+SHIFT
住所:札幌市中央区南3条東2丁目6 MUSEUM 2階
TEL:011-596-7752

Text: Aya Shomura
Photos: Yoshisato Komaki

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