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アレクシス・ハンター&ジョー・スペンス写真展

HAPPENINGText: Fuyumi Saito

1970〜80年代に活躍してきた女性アーティスト、アレクシス・ハンタージョー・スペンス。二人の女性フォトグラファーによる写真展がコンセプチュアルアート、フェミニストアート、パフォーマンスアートにフォーカスするリチャード・ソルトーン・ギャラリーにて開催されている。

アレクシス・ハンター&ジョー・スペンス
© Courtesy Richard Saltoun

ハンターの作品は、カメラがまるで自身の目であるかのように、手にフォーカスした写真を撮影し、スペンスは被写体となる女性モデルの身体を、衣装や小道具、メイクを用いて役柄を演出し描く。二人の写真家は、現実のシチュエーションを再演することで、その時代の社会やカルチャーの変化を表現し、また、物語を創造する。私たちはそこから、歴史や彼女たちのメッセージを感じることができるだろう。

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Jo Spence & Rosy Martin, Photo Therapy: Mother Work, 1986/88, © Estate of Jo Spence, Courtesy Richard Saltoun

映画のフィルムのように連続して展示される写真作品に、見る者はそこで起きているドラマや背景に想像をめぐらすことができる。フェミニストのメッセージをもって撮影された作品だと考えると、そこからは「こうあるべき」「これが理想」とされる女性像が見えてくるようだ。

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Jo Spence & Rosy Martin, From Libido Uprising: Beauty Work, 1989, © Estate of Jo Spence, Courtesy Richard Saltoun

それらのイメージの一連に、突如として狂気や奇妙なアクションが加わり、私たちは一つの作品の中でありながら、映画の一編を見ているかのようなドラマの奥行きと、感情の変化を味わうことになる。コミカルで、同時に痛々しい女性の表情や、スタイル、ポーズ、そして手のしわや何かを求めようとする動きは、女性の人生や経験、感情の表現なのだろう。

-1.jpgJo Spence & Rosy Martin, Portrait, 1986/88, © Estate of Jo Spence, Courtesy Richard Saltoun
© Courtesy Richard Saltoun

展示は、当時から現代に至るまでも、アートの世界に限らず、女性が世の中に認められることの少なかった歴史や価値観に対する、アートを通じた強いフェミニズム的メッセージと読み取ることもできる。この時代の女性によるアート作品の展示を見ることができる機会が少ない中で、イギリスの女性アーティストたちに大きな影響を与えてきた、ハンターとスペンスの作品を見られるのは大いに魅力的である。

Alexis Hunter & Jo Spence
会期:2013年8月22日(木)~9月27日(金)
会場:Richard Saltoun Gallery
住所:111 Great Titchfield Street, London W1W 6RY
入場無料
TEL:+44 (0)20 7637 1225
https://www.richardsaltoun.com

Text: Fuyumi Saito

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