リール 3000

HAPPENINGText: Valérie Douniaux

そして2012年10月から2013年1月にかけ、「リール 3000」は新しいプログラムをひっさげて戻ってきた。増加する来訪者数が示している通り、「ファンタスティック」というタイトルで子どもから大人までの非常に幅広い来訪者層を描いたテーマになっている。

Lille 3000
Ross Lovegrove. Photo: Courtesy of Lille 300

ファンタスティック=空想とは、未知の次元に在る神秘的な世界を露呈するような超自然現象とともに、私たちとは対極の場所に存在する。古い2つの電車の駅へ続く通りでは、毎日夕刻になるとレースのように美しいアーチ型天井がライトアップされ、新しい駅から会場へ向かう人々のためにはニック・ケイヴの作品であるマスコットが迎えてくれる。理解しがたいほどの巨体で、オープニングパレードのときには1000人ものお客さんを誘導したマスコットでもある。そして駅の右手側には日本人アーティスト・中谷芙二子の迷子になるような霧の海があり、不思議な生き物たちや巨大タコ、回転した家(コンテス施療院美術館)、UFO(リール・フランドル駅)などによって侵略された新興開発前の世界が広がっている。

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Théo Mercier. Photo: Courtesy of Lille 300

いつもと同じようにトリポスタル(大規模な郵便仕分け所跡の施設で、リール・フランドル駅のすぐ裏手にある)は「リール 3000」の総合センターまでの道々にあり、「ファンタジア」という特別展を開催している。ここでは、国際的なアーティストであるフォルカート・デ・ヨング、レアンドロ・エルリッヒ、アントン・ギンツバーグ、クワクボリョウタ、テオ・マーサー、マーニー・ウェバー、アピチャッポン・ウィーラセタクンなどの作品に出会うことができる。

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