クリエイティブ北海道ミーツ香港

HAPPENINGText: Taketo Oguchi

デザインイヤーとして様々な催しが行われ、街中がデザインで賑わう2012年の香港。それを締め括るイベントとして北海道のクリエイティブカルチャーをプロモーションするプロジェクト「クリエイティブ北海道」の香港プロモーション「クリエイティブ北海道ミーツ香港」が11月30日から12月16日に渡って開催された。

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本プロモーションは、昨年の上海に続き開催されたもので、「クリエイティブ」をキーワードに北海道の新しい価値をイベントなどを通じ国内外へプロモーションし、北海道への誘客に繋げるのがプロジェクトの狙いだ。SHIFTはクラークギャラリー+SHIFTとしてプロジェクト全体のクリエイティブディレクションを担当した。

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Photo: Masayuki Yajima

本プロモーションは「DETOUR」とのタイアップで行われた。DETOURは、地元香港とアジアのクリエイティブを展示やトークなど様々なイベントを通じ内外へプロモーションするために2006年から開催されているデザインイベント。今回、DETOURの公式プログラムとして、アート作品の展示、トークショー、ワークショップ、ディナーなどをタイアップすることで、より幅広い層へのリーチが可能になり、多くの香港市民、クリエイター、メディアなどへのアプローチが行われた。

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Photo: Courtesy of Clark Gallery+ SHIFT

展示はDETOURのサテライト会場であるセントラル・オアシス・ギャラリーで11月30日から行われた。この場所は日に8千人の通行量がある公共の通路として日常的に香港市民に利用されている場所。

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Photo: Masayuki Yajima

香港駅、中環(セントラル)駅、ショッピングモールを繋ぐこの回廊での展示は香港市民にも一時の非日常を感じさせる場となり、レディ・ガガが着用したことで話題となった吉川大裕のミラードレスや、ちょうど同時期に香港の大型ショッピングモール・ハーバーシティでインスタレーションを行っていたリボネシアSHUUN新矢千里澁谷俊彦のアート作品、ワビサビエアボンサイ初音ミクのフィギュアなど北海道のクリエイティブを代表して展示した作品の数々も多くの通行人の注目を集めていた。

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Photo: Hirokazu Ishii

12月2日にDETOURメイン会場である旧湾仔(ワンチャイ)警察署で開催されたトークショーには、アートディレクターのワビサビ+SHIFT、アーティストの澁谷俊彦が登壇。ワビサビ+SHIFTは共に札幌で展開している「まちなかアート」プロジェクトを中心に公共とアートにまつわる話と、北海道・札幌の芸術文化の現状について紹介。澁谷は近年国内外のメディアでも多く取り上げられているインスタレーション作品「スノーパレット」を中心に自然とアートとの関わり、制作背景やそれにまつわる自身の思いなどを語った。

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Photo: Takumi Yamamoto

同日セントラル・オアシス・ギャラリーではメイクアップアーティストの横山美和が「メイクアップツアー・イン・香港」と銘打ち、自身の活動の原点であるストリートメイクサービスを行った。体験した人全てが笑顔になる彼女の活動は香港でも好評を博し、多くの香港市民を楽しませていた。また彼女は香港の流行に敏感な人達が集まる繁華街「旺角」(モンコック)でもストリートパフォーマンスを行い、その活動は現地メディアでも大きく取り上げられた。

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Photo: DETOUR

12月4日昼には札幌の夏の風物詩であるイベント「サッポロ・シティ・ジャズ」から2010年の同コンテスト優勝者・山木将平がDETOURメイン会場で演奏を行った。アコースティックギター一本で行われた彼の演奏に観客はどんどん引き込まれ、最後にはアンコールの拍手が鳴り止まない程で、演奏後にはそこでファンになった人々との写真撮影やサインなどに応じていた。

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Photo: Takumi Yamamoto

同日夜は、本プロジェクトのハイライトでもある「DETOURキッチン/クリエイティブ北海道ダイニング」と題したダブルネームのディナーイベントが行われた。ここではアイヌの血を引くミュージシャン・OKIの楽曲をBGMに今年発行されたミシュランガイド北海道で札幌で唯一三ツ星を獲得したフレンチレストラン「モリエール」の今シェフが香港のレストランのシェフと共同作業で北海道で提供しているのと同じ素材、クオリティでフルコース料理を約80名のゲストに提供した。

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Photo: DETOUR

ワビサビの作品「札幌」、高瀬季里子の「エゾバッグ」、小笠原未季の「SEPPI」といった作品も会場にアクセントを加え、ここでも山木将平の演奏も行われゲストを魅了し、『素晴らしいディナーで北海道にとても興味を持った』『料理の質の高さに感動した』『音楽からも北海道の風を感じて、北海道へ行ってみたいと本当に思いました』といったコメントも多数聞くことができた。地域に根ざした文化が人を引き寄せる一歩を実感した瞬間でもあった。

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Photo: Takumi Yamamoto

金融・経済・エンターテインメントのアジアの中心である香港で、北海道のクリエイティブがどのように受け入れられるのかクリエイティブディレクターとして正直不安もあったが、どのイベントも好評で、特に食文化はアドバンテージを感じることができ、そのポテンシャルも再確認することができた。

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Photo: DETOUR

ミシュラン北海道が発行された本年を「クリエイティブ元年」として、新しい北海道をプロモーションすると同時にそれを地元の文化として根付かせていくことが課題でありそれを目標としていく本プロジェクトはまだ始まったばかり。今後100年の未来図を描きながらプロジェクトは進められていく。プロジェクトがどのように展開していくか注目していてほしい。

また、プロジェクトの一環として、クリエイティブ北海道で独自にセレクトしたグッズが新千歳空港内「山ト 小笠原商店」に特設されるスーベニアショップにて販売される他、澁谷俊彦の新作「スノーパレット」のインスタレーションがノース・スノーランド・イン・千歳で開催、札幌プロモーションとして「クリエイティブ北海道展イン札幌」がクロスホテル札幌にて12月21日から2013年3月31日まで開催、作品展示などが行われる。

クリエイティブ北海道ミーツ香港
会期:2012年11月30日〜12月16日
会場:オアシスギャラリー、元ワンチャイ警察署、プリンシパル
クリエイティブディレクション:クラークギャラリー+SHIFT
協力:札幌市、北海道運輸局、フード特区機構、北海道新聞社、クロスホテル札幌、ヒルトン・ニセコ・ビレッジ、山ト 小笠原商店、ザ・ノースカントリーゴルフクラブ

クリエイティブ北海道展イン札幌
会期:2012年12月21日〜2013年3月31日
会場:クロスホテル札幌
住所:札幌市中央区北2西2
TEL:011-272-0051(クロスホテル札幌企画部)
主催:クロスホテル札幌
共催:アジア札幌クリエイティブミーティング戦略会議
キュレーション:クラークギャラリー+SHIFT
協力:まちなかアート、株式会社正文舎
※オープニングレセプション 12月20日 18:00〜20:00(要1ドリンクオーダー)

クリエイティブ北海道 特設スーベニアショップ
会期:2012年12月1日〜2013年3月31日
営業時間:10:00~18:00(発着便により変動あり)
会場:山ト 小笠原商店
住所:新千歳空港国際線ロビー2階
TEL:0123-46-2255
キュレーション:クラークギャラリー+SHIFT
協力:山ト 小笠原商店、北海道新聞社

澁谷俊彦 新作「スノーパレット」インスタレーション
会期:2013年1月25日〜2月17日
営業時間:9:00~16:00(積雪・天候により変動あり)
会場:ノース・スノーランド・イン・千歳
住所:ザ・ノースカントリーゴルフクラブ(千歳市蘭越26)
TEL:0123-27-2121
キュレーション:クラークギャラリー+SHIFT
協力:ザ・ノースカントリーゴルフクラブ、北海道新聞社

Text: Taketo Oguchi

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