「コンテンポラリー・ヴィジョンズ」展

HAPPENINGText: Michael Sullivan

2008年カナダでビアーズ・ランバート・コンテンポラリーというアートギャラリーがプログレッシブアートという分野を使い、適切な問題を探求し普及するという望みの元始まった。2010年にロンドンへ移転し現在はショアディッチとホックストン通りの近くの明るく現代的な建物で、挑発的な現代美術を展示するという変わらない目標の元展示を行っている。

このギャラリーはビアーズ・ランバート・アニュアル・アワードという8人のジャンルも国籍も問わない新人アーティストの為の賞などのプロジェクトにも関わっている。受賞者の作品はギャラリー、そしてホームページにて展示される。

ビアーズ・ランバートは更に美術の本の出版も行っており、作品の販売、そして随時、4〜6週間の展示会を行っている。今年の展示会は現代的な様式、そして単色な美しさで写真、コラージュ、絵画を交えた彫刻を制作するノルウェー出身の二人組レロ/アーネル、そして「私たち死んだものが目覚めたら」(When the Dead Awaken)、劇作家ヘンリック・イプセン19世紀最後の作品に影響された4人のアーティストによる展示だ。

Contemporary Visions

現在行われている作品展「コンテンポラリー・ヴィジョンズ」は1800名の応募の中から選ばれた10名のアーティストによる形と存在の不安定さを探るというテーマの作品だ。本展の企画担当者はこう述べる『この展示は視覚、そして観点は主観的という考えの元にあり、そして見る者の過去の経験による架空の再現に頼っている。展示を統合する考えの糸はオーウェル風の未来の不安を少し呼び起こしているかの様だ。』

10名のアーティストは形と存在の不安定さを探るというテーマに対し興味深い考えをそれぞれ示している。

スペインのバレンシアを拠点にしているロバートとレナート・ミアッズの二つの作品、「Portrait d’Artiste #1」と「Kawaii #3」はピンぼけをした肖像だ。二つ目の「Kawaii #3」は非常に興味深い。日本語の「かわいい」、つまり愛らしい女の子を見る事ができるだろうと期待されるのだが、しかしここでは可愛い女の子を見るのがピンぼけにより阻止されている。女の子の存在はあり、そして見る側も見るべき物の期待があるが、彼らの主観的な考えが不安定化されている。

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ロニン・チョウはロンドンを拠点にする北朝鮮出身のアーティストだ。彼の作品、「Fair Idle」は機械の腕だ。チョウ自身の腕から象られており、サンドイッチを拾い上げ、指からすり抜けるという終わりの無いサイクルが繰り広げられている。これは無駄な行動に対する未来版である。行動には目的、そして結果があると推測する、しかし私達は結果は無いという事に直面する。

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