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日中現代芸術交流展「個園」

HAPPENINGText: Hiromi Nomoto

オープニングはギャラリーで行われる展覧会としては異例の開幕セレモニーが行われた。数百人の観衆が詰めかけ、展示会場は歩く事も困難なほどだった。両国アーティストやキュレーターのスピーチ、上海の日本総領事代理の祝辞と続いた。この騒ぎに興味を持った通りすがりの人も足を止めて話に耳を傾けていた。

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管懐賓の映像作品「逆流」は、潮の満ち引きにより逆流する現象を写した作品だ。これを一般社会に置き換えている。政治・経済・文化など、私たちは絶えず前進している。前進しようという欲求は、故郷への帰り道でさえも忘れさせてしまうほどだ。この作品は忘れてしまった帰り道を教えるヒントとしてつくられた。

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「逆流」管懐賓, 2011. 映像, 8分30秒

鄭端祥の映像作品はポップな音楽と、リズムよくタマネギなどの野菜を刻み、餃子の餡を皮に包んで、魚をさばく。最終的には大量の食材を炒め、固める。これがインスタレーション作品の中心に置かれたまるで湖に浮かぶ島のように置かれる。この食材でできた物体の拓本をとったものも展示されている。この作品と一連の作品が展示されている。

koen08.jpg杭州の学生たちから作品についての質問をされている岡部昌生
「雑談」鄭端祥, 2011. 映像, 相互インスタレーション

岡部昌生のインスタレーション作品は、かつて軍事工場が置かれていた広島のプラットホームをフロッタージュで写し出したもの250点だ。広島の原爆被害が強調される広島の加害、加害あっての被害を人々に突きつけている。オープニングに訪れた人々に質問攻めにされていた。オープニング翌日には展示関係者とともに屋外に出てワークショップを行った。杭州の歴史的建築を展示関係者たちと巡り、遺物をフロッタージュした。

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