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東北の底力、心と光。「衣」、三宅一生。

HAPPENINGText: Wakana Kawahito

それ以外にも、ISSEY MIYAKEのプリーツの質を支えてきた宮城県白石市の白石ポリテックス工業のプリーツ加工技術や、岩手県盛岡市の中村工房のホームスパン、確かなニットの技術を持った山形県山形市、ケンランドの山形ニットをはじめとして、シナ布、からむし織、天鷺ぜんまい織、こぎん刺しなどの作品や道具、制作プロセスも紹介された。

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1970年代より三宅一生は、このような東北の手仕事の技を自分のデザインやアイディアのソースとし、長年にわたってコラボレーションしてきた。そんな東北の技術がふんだんに使われたISSEY MIYAKEのコレクションからも15体が展示された。三宅の手に掛かると、紙衣はウールが裏打ちされたコートに変身し、ホームスパンを使った極太平織のベストができ、背負子からインスピレーションを受け、裂織のエッセンスが取り込まれた衣服が完成する。

東北だからこそ可能となってきた、長年の伝統に裏打ちされた確かな手仕事の技術は、今後も日本のものづくりの基本として、受け継いでいかなくてはいけない。おそらく震災後のこのタイミングでこの企画が果たした役割は大きいであろう。私たちがこれから、残し、伝えていくべき日本の伝統やものづくり、東北の力強さについて、改めて考えさせられた。

東北の底力、心と光。 「衣」、三宅一生。
会期:2011年7月26日(火)〜31日(日)
時間:11:00〜20:00(入場は19:30まで)
会場:21_21 DESIGN SIGHT(東京ミッドタウン・ガーデン内)
住所:東京都港区赤坂9-7-6
TEL:03-3475-2121
入場料無料
https://www.2121designsight.jp

Text: Wakana Kawahito
Photos: Masaya Yoshimura

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