ピーター・イェンセン

PEOPLEText: Yumiko Isa

デンマーク出身のピーター・イェンセンは、ロンドンを拠点に活動を続けているファッションデザイナーだ。デンマーク王立アカデミーを経てセントマーチンズの修士課程を終えた後、2000年に自分のブランドを立ち上げた彼は、すぐにメンズ・ウィメンズ共に非常に人気のデザイナーとなった。物語を感じさせる彼の独特なデザインとチャーミングなプリント柄は日本でもとても人気があり、日本中の多くのセレクトショップで取り扱われている。彼の最新コレクション「アンナ・カリーナ」は、ショーを行わずに写真集の形式で発表するという新しい試みだ。

Peter Jensen
Photo: © Paul Bliss

コレクションには毎回ミューズになる女性がいますが、今回「アンナ・カリーナ」を選んだのは何故ですか?

アンナ・カリーナは、アイディアを練っている過程のだいぶ後になってから出てきたんだ。今回はショーをやらないと決めていて、シャーリー・クラタというスタイリストと仕事をするためにロサンゼルスに向かった。でき上がりの写真は映画女優みたいな感じにしたくて、そのイメージに合う人を探していた。60年代のすごく素敵なフランス映画の中からカトリーヌ・ドヌーヴがまず候補にあがったんだけど、シャーリーにはどうもしっくりこなかった。そんな中で、アンナ・カリーナは、ぴったりだと思ったんだ。それに僕と同じデンマーク人だし。それからアンナ・カリーナっていうのは本名じゃないんだよ。

Peter Jensen AW2011 - Anna KarinaPeter Jensen AW2011 - Anna KarinaPeter Jensen AW2011 - Anna Karina
Peter Jensen AW2011 – Anna Karina

ココ・シャネルが名付けたんですよね。

そう、その通り。まぁそういう感じで彼女に決めたわけだ。アイディアが出て来たのはずいぶん遅かったけど、とてもしっくりきてたと思う。それから彼女の出ている映画を見始めたんだ。タイトルは聞かないでね、全部フランス語で全然覚えてないから。

Peter Jensen AW2011 - Anna KarinaPeter Jensen AW2011 - Anna KarinaPeter Jensen AW2011 - Anna Karina
Peter Jensen AW2011 – Anna Karina

キャットウォークショーについてどう思いますか?

キャットウォークショーは、服を見るという点では一番手っ取り早い方法ではあるけど、僕は正直に言って時々とても退屈なものに思えるんだ。ただ同じ行為が繰り返されるだけで。例えばパリでのショーなんかでも、いいキャットウォークショーを作り上げるために莫大なお金が動く。そんな中には、大切な何かが欠けたように思える人たちもいるんだ。

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