カールステン・ニコライ「モアレ・インデックス」

THINGSText: Jovan Velkoski

ゲシュタルテンよりカールステン・ニコライによる本「モアレ・インデックス」が2010年11月(国内)に発売された。今回リリースのモアレ・インデックスは、2009年に発売された「グリッド・インデックス」に続く作品集で、ある角度で線が重なり合ったときに発生する模様のモアレ効果についてをまとめた本だ。

モアレ・インデックス
Moiré Index by Carsten Nicolai © 2011 Gestalten, Berlin

あらゆる分野のコンテンポラリーシーンで幅広く活躍するカールステン・ニコライは、アルヴァ・ノトの名で音楽家として活動することでも知られ、コンセプチュアルなスタイルの音楽をつくり、その音楽を組み合わせたアート・インスタレーションの作品でもその名を馳せている。そんな多岐にわたる活動の一端は、現在、山口情報芸術センターで開催されている、カールステン・ニコライとマルコ・ペリハンとのコラボレーション新作インスタレーション「polarm」でも伺い知ることができる。

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Moiré Index by Carsten Nicolai © 2011 Gestalten, Berlin

著者がアートワークとよぶ多数のモアレ効果が沢山詰め込まれたこの本は、モアレがどの分野に応用されるかにより違った手段をもたらす本としても機能する。グラフィックデザイン、数学、建築、ビジュアルデザイン、リサーチなどその分野は様々だろう。実際には、モアレは、計量学や布の歪みのリサーチに使われることが殆どだが、その効果は印刷の際に生じるなど日常でも見ることのできる模様である。

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Moiré Index by Carsten Nicolai © 2011 Gestalten, Berlin

そんなモアレ現象を追求し580パターン集めたのが「モアレ・インデックス」だ。例えば、“直線格子”や、より複雑な“ハイブリッド・モアレ”など、異なる現象ごとに収録し、モアレの種類ごとに全ての公式や名前、コードなどの情報が分かりやすくまとめられている。

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チーヤン・チェン
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