モノ

PLACEText: Gisella Lifchitz

素敵な人たちがつくる素敵なものが揃うお店の裏に、こぢんまりしたかわいらしいオフィスがあるというのは、ブエノスアイレスではよく見かける風景だ。そこでは、時折足を運ぶラッキーな人たちのために、とびっきりのものをつくっている光景を目にすることができる。

Mono

グラフィックデザイナーのメルセデス・エルナエスが手掛ける「モノ」は、そんな場所のひとつだ。メルセデスは、窓からきれいなバックヤードの風景を眺めることのできる場所で美味しいお茶を入れて私を出迎えてくれた。店内に陳列された数々のノートの豊富さと色に夢中になってしまうほど、そこには思わず集めたくなるような、たくさんのすてきなもので溢れていると同時に、空間全体にオーガニックな雰囲気を醸し出していた。

「モノ」について教えて下さい。

「モノ」は、たくさんの“場所”を集めた小さな空間です。たくさんの場所とは、スタジオであり、大好きなデザインが施されたものや、ブエノスアイレスのシティマップ制作の場、その他もろもろをつくっていく場所など、いろいろな意味を含んでいます。

「モノ」をスタートしたのはいつですか?

10年前にシティマップを始めたのが最初のはじまりです。ノートは、ずっと好きで、よく旅行をするのですが、その度にノートを購入し、そのノートを他では手に入れることができないと思うと、使うことができずにいました。そんな経験から、自分でノートをつくってしまおうと思い立ちはじめたのがきっかけです。そこで、壁紙工場を見つけ、材料を手に入れて、ノートのコレクションをつくるようになりました。いいなと思っていた昔ながらの製本業者を見つけることができたのもラッキーでした。

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どんな人がノートを購入しますか?

特に若い人たちが多いですね。文章を書いたり、絵を描いたり、お料理をするような繊細な人たち。基本的には私がいいなと思うような人たちばかりです。

古いものの再評価がなされているなと最近感じていて、「モノ」はそれを担っている場所のひとつと思うのですが。

そうですね。愛国的な要素の産業とデザインをミックスし最終的なプロダクトをつくるというような感じです。職人というのとも違います。制作ネットワークをつくり、その過程に人に関わってもらえたらと思ってます。

普段使用するノートというもので、関わり全体を築いているというのが面白いですね。

ええ。ノートは旅の良き友ですからね。ノートには考えや好きなことなど何でも書き留めているんですよ。

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旅をよくするとおっしゃってましたが、どこに行きますか?

大好きな場所が2つあって、アルゼンチンの北にあるフフイという街と日本です。日本では、美は表面的なことではなく精神的なものであり、それは自然との関係から生まれ、人間としての自分の中に伝わってくるものなのです。その考えにとても心動かされますね。女性の生き方、テキスタイルなどのアートが日常に応用されることなど、フフイにも同じようなものを感じます。

メルセデスは、アーティストのギエルミナ・バイグエラと一緒に刺繍のワークショップを行っていることを教えてくれた。それは、メルセデス曰く『イラストレーターやデザイナーなど働く女性の集まりですね。以前は刺繍というと主婦に限定されたものに見られていたけど、今ではそれも再評価されているんです。つまり、あらゆる現代の言葉で表現される女性の世界なんです。』

さらに私たちは、技術や手作業による活動の接点などについて語り、メルセデスは『働きながら素晴らしい人生を生きることがゴール』だと話してくれた。
その言葉を一日中噛みしめつつ、モノの平和な空気の流れるクリエイションのある日常を思った。

Mono
住所:Godoy Cruz 1776, Palermo Soho, Buenos Aires
営業時間:11:00〜19:00 (土曜日12:00〜16:00)
定休日:日曜日
TEL:+54 11 4833 2544
info@mono-blocks.com.ar
http://www.mono-blocks.com.ar

Text: Gisella Lifchitz
Translation: Mariko Takei
Photos: Gisella Lifchitz

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